【写真】街頭で笑顔で立っているさくらもとまりさん

「うつ病という状態は、個性と社会との無理が明るみに出る瞬間だと思うんです。」

”うつ病”になった人は、きっと自分が心の弱いからで、恥ずかしいことだと思いがちなのではないかと思います。

しかし、櫻本真理さんは、「病気になった時こそ、自分自身と向き合い、今までの無理を改めるタイミング」だと言います。

心や体に不調を感じたとき、気軽に自分のなかに起きている違和感を語ることができたら、どうでしょうか。
悩みや最近考えていることを、正しい、正しくないの判断もせず、ただただ聴いてくれる人がいたら?

そうしたらきっと、今よりもっと自分に素直に生きていくことができるのかもしれません。

うつ病を過去に経験したこと、自分の変化を語れなかったことに疑問を感じたことで、櫻本真理さんが始めたのは、オンラインカウンセリングのサービス「cotree」。

わたしは以前忙しい職場にいて、自分の心や体の変化よりも、優先すべきは時間や数字という空気のなかで、うつ病になってしまった経験があります。 もしも当時、自分の弱さにしっかりと寄り添ってくれるこんなサービスを知っていたら、病気を発症する前に、何か対策が取れたのかもしれない、もしくは、もっと楽だったのかもしれないなと思います。

cotreeというサービスには、たくさんの人の心をサポートしてくれるのではないかと希望を感じます。 どんな思いで櫻本さんがcotreeを生み出したのか、ゆっくり伺ってみました。

自分の弱みを誰かに話せる時間をつくりたい

【写真】笑顔でインタビューに応えるさくらもとまりさん

自分の気持ちや弱みをきちんと誰かに話せる、そしてそれを聴いてくれる人がいるのが当たり前な社会を、オンラインカウンセリングを通じて実現しようとしているのが、今回お話を伺った櫻本さんです。

お会いした櫻本さんは、やわらかい雰囲気ながらハキハキと、信念に基づいて丁寧に言葉を選んで話してくださる方でした。

櫻本さんが運営するcotreeは、病気や心の不調を変化へのきっかけとし、しなやかな心を育てることをテーマにしたオンラインカウンセリングサービス。 Skypeを通じてのカウンセリングやチャットやメッセージを使ったパートナー・プログラムを提供しています。 オンラインということで、時間や金銭、地域など制約をできるだけなくし、誰でもカウンセリングを受けやすい環境を作り上げています。

 

櫻本真理(さくらもとまり)さん。京都大学教育学部卒業後、モルガン・スタンレー証券、ゴールドマン・サックス証券にて勤務。証券アナリストとして2009年日経アナリストランキングその他素材部門20位、2010年同10位にランクイン。同社退社後複数のスタートアップやプロジェクトに携わり、2014年5月に株式会社cotreeを設立。産業カウンセラー。

 

高校留学で心理学に興味を持つ

【写真】微笑んでインタビューに応えるさくらもとまりさん

高校生の時に1年間アメリカ・イリノイ州に留学。そこでの授業で心理学に出会った櫻本さん。 それまで日本での授業で受けていた、国語や算数などの頭の使い方を学ぶ勉強とは違い、実践的で自分につながっている面白さを痛感。「これだ!」と思い、大学でも心理学を学ぶことにしたといいます。

でも、わたしは、大学に入ったあとは、だんだん心理学を勉強しなくなったんです(笑)。 心理学って色々あるのですが、わたしの大学の主流だった臨床心理学はやらなくなりました。 もっと脇道にそれた心理学をやるようになったんですね。それが行動経済学になり、経済学になり、会計になり。。と徐々に金融の道につながっていったんです。

心理学と金融というと、すぐにピンとはこないのですが、どうしてその道を進んでいったのでしょうか。

もともと数字や論理で考えることが得意でした。だから心理学を学んでいるときも、論理を超えた無意識の世界よりも、論理で把握できる分野、具体的に言うと進化心理学や認知心理学に興味を持つようになりました。

そこから行動経済学、マーケットの心理学に関心が移って。また、マーケットのことを知ろうと思うと、ビジネスのことを知らないといけない。そうしてビジネスのことを知っていくと、面白い人に出会うことが多かったんですね。その人たちと勉強会をしていると、金融の世界というのがあるんだと知りました。そこにはこんな面白い人がいて、ビジネスをダイナミックに俯瞰することができるんだというワクワク感があったんです。

わたしが小学生のときに亡くなった父は事業をやっていて、幼かったわたしはその話を聴くことができないままだったので、父が見ていた世界を知りたいという気持ちもどこかにあったように思います。

人の心を学び、そして、その心が動かすお金や市場に興味が移り、そしてまた人の心に関心が戻ってくるといった流れで、櫻本さんの今の活動があるといいます。 そこには市場など大きなものを捉えるマクロな視点と、個人の心を見るミクロの視点、その両方を同時に見て、考えることができる櫻本さんの特性が生かされているようです。

 

数字でなんでも捉える世界でバランスを崩してしまった

【写真】インタビューに真剣な様子で応えるさくらもとまりさん

大学卒業後に進んだ金融で扱うのは、まさにマクロの世界。市場だけでなく、行動など生活面においてまでなんでも数字で捉えるようになっていったといいます。

まとまりで捉えて数字で表現することって簡単だし、気持ちがいいんですよね。一人ひとりの人の心を考えるってエネルギーがいるし、複雑で難しいんですけれど、でも集合体として語るのって、楽なこと。 しかもなんだかすごいこと、大きなことをやっているように見える。だんだんわたしは大きなまとまりを見るような考え方に馴染んでいったと思うんです。

金融の世界で奮闘する、キャリアウーマンとしての櫻本さんの姿が想像できるように思います。 ただ同時に、櫻本さんは違和感を覚えるようにもなっていきます。

自分のなかの感性が失われていくような感じがあったんです。具体的には、担当企業のリストラ費用、数百億円の裏にある数千人の生活に想像力が及ばなくなるような……。数字の意味に考えを巡らせることもなく、合理的か合理的でないかという考え方が、自分の生活すら支配していた気がします。

無駄なものをそぎ落としていく感じで、じっくり味わうとか、小さなことを感じ取るとか、そういうものを忘れて、自分自身をまとまりの一部と見るような。効率的に暮らすということが正しく思えてしまうようになっていました。

それがわたしにとっての病気だったと思うんです。無駄な時間をなくして、生産的であらねばならない、自分の気持ちを後回しにして、会社に求められる自分でなくてはならない、環境に合わせて自分を殺すみたいな……。そんな感覚も含め、合理主義にマヒしていったんですね。それってやっぱり無理が出てくる考え方だったんです。

そんな時に、櫻本さんの体に出た変化が睡眠障害。 眠り方を忘れてしまったかのように寝付けない、朝早くに目が覚めてしまう……。そして、集中力が続かないことに悩まされたといいます。 冷静に考えれば、朝早くから夜中まで働くようなスケジュールが慢性化するなかで、眠れなくなるのも当たり前のように思いますが、当時、櫻本さんはそのようには捉えていませんでした。

時はリーマンショック後の金融業界。自分の異変に気付いても、周りに迷惑をかけてはいけないと思い、自分で抱え込んでしまった経験。 そして、メンタルクリニックでの簡単な問診だけで「軽いうつ病ですね」と診断され、3種類も薬が処方されたこと。病気になるような働き方をしていたことへの疑問を持ったことが、起業、そしてオンラインカウンセリングサービスの提供へとつながっていきます。

「こうあらねばならない」という思い込み、檻のようなものに自分を合わせていくとか、強くあろうとするあまり自分が感じていることに鈍感になってしまうとか。いつか楽になると信じて目の前にある生活を無視してしまうとか……。

こういうものが、わたしの場合は睡眠障害というかたちで表れました。歪みに気づいて、それまでの生き方を変えられればいいんですけれど、それはなかなか難しいですよね。

そういう時に必要なのは、自分に立ち返ることだと思うんです。それができるのは、薬ではありません。自分では気づかない思い込みやそぎ落としてしまったものと向き合う一つの方法が、カウンセリングだと思っています。

「こうあらねばならない」という思い込みで、自分で自分を生きづらくさせてしまうという経験はわたしにも思い当たるところがあります。 そんな生きづらさを感じる時や何かしらの物事がうまくいっていない時、そこには「無理」があるように思います。無理をして、自分がどういう人間かを無視して進んでしまう例として、こんな話を教えてくださいました。

 

以前、目にしたオリンピックで金メダルを取った方の言葉ですが、「金メダルを取るまでは自分を殺そうと決めていた」と語られていたんです。

これはひとつの例ですが、社会的な成功を目指すことや競争に勝つことなど、あることに効率的に近づこうとすると、自分を無視するって起こりがちなんだなと思うんです。「ここでこうあらねば」と思うことって、自分を殺すことと似ていますよね。

そして、それにすら気づいていないことがあると思うんです。意識的にここまで、と期限を決めるわけでなく、無意識にそうしてしまうこともある。もちろんそれが必要なときもありますが、限界を知らなければ、生きる目的も意味も見失ってしまうことがあると思うんです。

仕組みを作ることがわたしの役目

心の病を抱えた人だけでなく、そういった時にも頼れるのが、cotreeのサービス。

もともと心理学を学んでおり、友人との起業を経てインターネットに馴染みがあった。そして、起業する選択肢があると気づき、ご自身が持つリソースで考えたときに、できることがオンラインカウンセリングだったといいます。

自身がカウンセリングで人を癒すのではなく、自分の強みを生かして、仕組みを作ることをしたいと思った櫻本さん。そして仕組みを作るにあたり、櫻本さんが見ていたのは、サービスの受け手、いわば、かつてのうつ病になった自分のような立場の人のことだけではありませんでした。

問題意識として、癒したい人や手を差し伸べたい人は多いのに、その人たちは往々にして、報われない苦労を抱えていると感じていました。

今の医療は、結果としてうつ病につながるような「生きづらさ」を癒す役割を担うようにはできていないと思うんです。カウンセラーになりたい、人助けをしたいという人は多いけれど、なかなかカウンセラーとして独立することは難しく、そして、十分な報酬が支払われていない。

ケア、介護の世界もそうだと思うのですが、誰かの人生に意味を生み出す仕事がもっと報われるようになってほしい。正しい価値を提供しているのに報われていない人に対しても、意義のある仕組みが必要だと思ったのです。

尊く、価値ある職業なのに、スポットが当たらないという人が多くいるというのは、soarの記事を通じても感じているところです。それは櫻本さんが感じていた疑問と通じるところがありました。

必要としている人がいて、提供したい人がいるわけなので、そこをつないでいくというのが、わたしにできることなのではと考えました。だから、cotreeはカウンセラー側にとっても、価値あるサービスでありたいと思っています。

カウンセリングって両輪なんですよね。利用する側にとっては必要な助けを得る場であり、癒す側にも生きる意味が生まれ、生み出した価値が報われる場であり、人を癒すという価値ある仕事がきちんと評価される場。

それが当たり前だと思うし、そうすれば、誰かの喜びのために素直に、素朴にがんばれる人が増えると思います。

櫻本さんの想いを受けて、共に働く、カウンセラーさんの声が気になりました。応募やスカウトなどでcotreeに参加しているカウンセラーさんはどのようなお考えの方がいるのでしょうか。

実はカウンセラーにとって、オンラインでカウンセリングって難しい面もあるんです。どんな人が来るか分からないということもありますし、非言語情報が十分に得られないこともある。

でもcotreeの自分と向き合う場を増やしたいという理念に共感し、応援したいと思ったから手伝っています、と言ってくださる方もいて、一緒にサービスを作っていける仲間の存在に勇気付けられています。

また、海外在住のカウンセラーさんや産休中のカウンセラーさんなど、従来の方法では利用者さんとつながれないカウンセラーにとっても、利用者とつながるための場になっています。

オンラインのサービスであることで、海外の方の活躍の場、相談できる場になることにも魅力を感じます。長く海外に住み、どんなに現地の言葉が上達しても、悩みを相談することや考え事をするのは、母国語が適していると思うからです。実際に2割の方が海外からの利用者さんだといいます。

心理的にカウンセリングルームに通うは抵抗があるという方の利用も多いですが、ほかにもいろんな理由で使ってくださる方がいます。近くにカウンセラーさんがいない、いても相性が合わない。また、対面のカウンセリングだと値段が高いとか、忙しくて行けないという人もいます。

わたしも証券会社時代にカウンセリングを受けて来いと言われても、行けなかったと思うんですね。そういった制約を取り払って、相談への入り口を作ることができる仕組みでもあると思っています。

たとえ近くにカウンセラーさんがいたとしても、うつ状態のときは、たった一駅であっても電車に乗るのがつらくなってしまうこともある。気圧の変化など天候によって急に体調を崩し、出かけられなくなってしまうこともある。こういった面をオンラインは解消してくれます。

そして「今つらい」と思ったら、当日でも予約ができるというのも、このサービスならではの心強さではないでしょうか。

 

自分に向き合う時間が必要なのは、病気の人だけじゃない

【写真】微笑みながらインタビューに応えるさくらもとまりさん

実際にcotreeに寄せられるのは、人間関係の悩みが多いそうです。職場の人との付き合い方や夫婦関係、友人関係……。

悩みはたいていの場合つながっていて、仕事がうまくいかないと人間関係も悩んでしまい、体調も悪くなってと悩む人が多いそうです。その他に、身近な人に悩みを言えない人や、自分が何をしたらいいのか分からないという相談も少なくないとか。

多くの相談が寄せられる場所を運営する櫻本さんは、今のうつ病患者さんが置かれている状況をどのように考えているのでしょうか。

そうですね、心の不調は生き方の無理がメンタルに出た状態と捉えられると思うんです。それぞれの個性を否定しているところから始まっていると思っていて。そこでうつ病になる人もいるし、病気とまではいかなくても生きづらさを抱えている人もいます。

うつ病ならうつ病になった自分と向き合うとか、病気になった時こそ、自分の限界を知る、今までと違うやり方を探るタイミングだと思うんです。病気になったこと自体が、多分、生き方を変える機会になっていると思います。社会的な「こうあるべき」に沿って強くあろうとしなくてもいいんだと、「弱さを認める」ことが必要だというサインなんですよね。

そして、弱さを認めることが必要なのは病気の人だけではないと思っています。こうなくてはならぬという思い込みやイメージにとらわれて、本当の自分はどう考えているのかということと向き合っていない人は多いと思うんです。

 

語れる人が増え、そして耳を傾ける人が増える社会へ

【写真】笑顔のさくらもとまりさん

日々の忙しさのなかで、自分と向き合うことが後回しになってしまう人が、自分と向き合うためには、どのようにしたらいいのでしょうか。そこで櫻本さんから出てきたキーワードは「語ることの大切さ」でした。

一人ひとりが、自分なりの“物語”を語ることが必要だと思っています。例えばうつ病になった自分について語る、病気になっていない場合も自分の現状について語ることで、自分の形ができていく。普通に暮らしていると、自分の物語を語ることはないので、語る人が増えるといいなと思います。それは、聴く人が増えることに繋がっていますよね。

ただ、「聴く」と言っても、正しい、正しくないという軸で聞くのではなく、否定か認めるかということでもなく、「この人はこういう風に感じているんだ」とその人の言葉をそのまま受け止められるという聴き方が必要なんだと思います。「語る」人と「聴く」人がうまくつながる場をつくる役割を果たせたらいいなと思うんです。

その役割を待ち望んでいた人は多く、そして、櫻本さんが作った仕組みは支持されています。自分はカウンセラーではなく仕組みをつくる役割だと、そんな自分の適性をどのように見極めたのでしょうか。

計画的に自分の歩む道を選んでいるように見えるかもしれませんけれど、全然そんなことはなくて(笑)。こういう仕事をしようというのは、もとからあったわけではなくて、その時の出会いに引き込まれるように道を選んで、そして振り返ったらこういう物語になっていたという感じなんです。この物語も何年か経ったら変わっているのかもしれないと思います。

それでも、自分の物語を語ることは大切で、過去の出来事が今の自分にどう影響を与えているかを言語化して振り返った時に、その時々の自分像ができていくんだと思うんです。だから、外から見ると自分で選んできたように思われるかもしれませんが、それは、自分がいま感じていて、語っていることに過ぎない。物語も実は多面的で、いろんな見方があるはずなんですね。

どう語るのか、どの言葉を選ぶのかによって、人それぞれの物語は違う形を帯びてくる。例えば自分のケースで言えばと、こんな話をしてくださいました。

今のわたしの活動を、「未熟なメンタルヘルスケア市場でトップになってお金持ちになろうと思っています」という物語にしてしまえば、それを語っているうちに集まってくる人たちも仕事へのスタンスも違ってくると思います。それくらい言葉って現実を作り出すものだと思うんですね。

だからこそ言葉を大切にしたいと思うし、カウンセリングがそうであるように、言葉を紡ぎ出す場、自分の言葉を引き出してくれる場があると、自分のなかにあるもの、想いがきちんと形になっていくんだなと思うんです。そして、言葉にすることで現実が動き出すこともある。
このことも、半年後には全然違う言葉で語っているのかもしれませんが(笑)。

 

お互いに弱さを持った人同士がつながることで価値が生まれる

インタビューの最後に、「仕事を通じて誰を幸せにしたいか、誰のほうを向いて仕事をしたいか」という質問をしてみました。

今のわたしにできることは、「強くあらねば」と弱さをさらけ出すことができずにいる人や自分らしさを忘れそうになっている人に、立ち止まって向き合う場を提供することだと思っています。

心の不調を抱えた人が「助けてほしい」と言えるきっかけを提供できるようなサービスを作れたら。そして誰かがそれに応えることで、新しい意味を一緒に作りあげていったり、福祉や医療などの別の社会的資源につないだり、その人が生きるなかで新しい動きの起点になるような、そんなイメージを持っています。

櫻本さんのサービスを通じて、出会うべくして出会った人が新たに作っていく世界が、櫻本さんには見えているようです。 そこは自分と向き合えて成長できる、優しさに満ちた場所。そしてその世界を構成しているのは、お互いにその価値を補い合える人たち。

端的に言うと、心の不調を抱えた人と心を癒したい人というものですが、この二者って補い合っている関係だと思うんです。カウンセラー側にとっては癒すことで自身の生きる意味が生まれているし。どっちが弱くてどっちが強いというのではなく、また、癒す側、癒される側という上下の関係ではないと思うんですよ。

人と人がつながることで相手を通してまっすぐ自分の生き方と向き合って、成長していけるような心のケアのあり方が、局所的にでもでき上がるといいなと思います。それが広がって大きな仕組みにつながっていくと思いますし。心の不調を感じたら当たり前に誰かに頼れるような社会になっていくといいですよね。

そしてそういう仕組みを作ることが、結局は自分を幸せにしますし、自分を幸せにすることは、周りの人を幸せにすることにつながっていると思うので。全部ひとつながりだと思うんです。

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櫻本さんのお話を聞きながら、このサービスがうつ病をはじめ心の病を抱える人はもちろん、日ごろ悩みやすい人、自分の話をするのが苦手な人に、広く知られてほしいと思いました。
そしてそのような人はきっと、「こんな話を相手にしたら失礼ではないか」とつい思いがちかもしれませんが、悩みを打ち明けることは、その聴いてくれた相手の生きる価値につながっている……。そんな側面を知るだけでも、気持ちが軽くなりそうです。

弱さを持った人同士だからこそ、つながることで生み出せる価値がある。

自分のことを気軽に語れて、そして誰かの話に耳を傾けることができる、そんな優しい社会。櫻本さんが「局所的にでも」とおっしゃった小さな社会は、周りから求められ、どんどん広がっていくことでしょう。 そしてわたし自身も、そんな優しい社会の一員でありたいと思います。

 

関連情報:

オンラインカウンセリング cotree

(写真/馬場加奈子)