【写真】四方八方に向かって伸びるたくさんの矢印が印象的な、RAINBOW CROSSING TOKYO 2017のバナー

「自分らしく働きたい。」

どうなっているのか分からない10年、20年後の自分の姿を想像し、将来何をしていたいのか、どのように生きたいのかを考えながらも、目の前の就職活動では「自分だからできる仕事」とは何かを模索している方は多いのではないでしょうか。

いま大学生で、これから就職活動を行う私もそんな願いを抱くひとりです。自分の特技を活かし、仕事に対するやりがいを働くことができる仕事を見つけたいと思っています。

しかし、将来の夢や自分の強みを発揮できる仕事について考える以前に、大きな悩みを抱えている人たちもいます。

「自分らしく安全に働ける職場があるのか」
「自分の望む性別で働けるのか」
「自分がLGBTであることを伝えてもハラスメントを受けないだろうか」

こういった不安を抱えるLGBTの方々も、そのうちのひとりです。

実際に、就職活動をするにあたって「履歴書の男女欄どちらに丸を付けるべきか」と悩んだり、「面接で自分がLGBTであることを伝えても評価に影響しないだろうか」など、自身のセクシュアリティに由来した悩みに直面することも多いのだそう。

それによって、セクシュアリティ以外の側面、つまり、そもそも自分はどんな仕事をしたいのか考えることができないまま、就職先を選んでしまう傾向にあるようです。

今回ご紹介したいのは、LGBTの人も自分らしく働くことについて考えるきっかけとして開催される、LGBTのためのキャリアイベント「RAINBOW CROSSING TOKYO 2017」です!

セクシュアリティにかかわらず自分らしく「はたらく」を考える

【写真】大勢の人で溢れる会場。活気が伝わってくる。

「RAINBOW CROSSING TOKYO 2017」は、LGBTを含めた多様なバックグラウンドを持つ全ての従業員にとって働きやすい職場へと変えていきたいと願う企業と、自分らしく働きたいと願う学生・就活生・社会人らが交流・意見交換を行うイベントです。

イベントの最大の魅力は、LGBTやダイバーシティ施策に取り組む企業や、LGBTの人の就職活動や働き方について話が聞けること。セクシュアリティは不問のイベントなので、LGBTであってもなくても安心して相談できることも魅力のひとつです。昨年は、74社約150名の企業関係者と、約380名のLGBTの学生・社会人が参加しました。

目指すのは「ありのままの自分で大人になれる社会」

「RAINBOW CROSSING TOKYO 2017」を主催しているNPO法人ReBitが目指しているのは、「LGBTを含めた全ての子どもが、ありのままの自分で大人になれる社会」です。

日本において、約13人に1人はLGBTであると言われています。40人のクラスに、約3人のLGBTの子どもがいてもおかしくありません。そうであるにもかかわらず、性の多様性に関する教育を受ける機会が無いため、約9割の人はLGBTについて正しい知識を得ることなく大人になっていくそうです。

結果として、周りの理解が得られず、自分のセクシュアリティに由来した困りごとを周囲に相談できず、生きづらさを感じる人がまだまだ多くいます。

トランスジェンダーであることで悩んだ就活、だからこそ安心して相談できる場を

そんな現状を改善したいと立ち上がったのが、自身もトランスジェンダーである藥師実芳さんです。藥師さんは、ReBitがの代表として学校/行政/企業での講演や、LGBTの子どもたちが抱えやすい困りごとをまとめた教材キットの作成、LGBT成人式などのプロジェクトを行っています。

【写真】陽の光に照らされて、穏やかな笑顔を向けるやくしさん。

さまざまなプロジェクトに取り組みながらも、藥師さんが取り組んできたテーマのひとつに、「セクシュアリティにかかわらず自分らしく働く」ということがありました。

「私自身はトランスジェンダーであることで、就職活動の際に自分らしく安全に働ける職場についての情報が見つけられなかったり、働くLGBTの方のロールモデルに出会えず、とても不安でした。」

藥師さん自身は、就職活動の際にトランスジェンダーであることを会社側に伝えていたのだそうです。

「戸籍上は女性だけれど、男性社員として働きたかったので就職活動時にカミングアウトをしていました。しかし、面接を途中で切り上げられて帰されたり、『子どもは産めるの?』など面接中にハラスメントを受けることもありました。また、働くLGBTの先輩の姿が身近に見つけられず、不安に思うこともあったんです。」

LGBTの方にとって、はたらくことについて安心して相談したり話したりできる場所を作りたい。そんな想いから企業やLGBTの先輩との交流を通じ、自分らしく働くことを考える「RAINBOW CROSSING TOKYO」が生まれました。

LGBTの就活性の悩みに寄り添う、多様なブースが並ぶ

【写真】ブースでの企業の話に、真剣に耳を傾けるイベント参加者たち。

「RAINBOW CROSSING TOKYO 2017」では、他の就活イベントには無い、特徴的なブースや企画が用意されています。

様々な業種の企業の雰囲気を肌で感じることのできる個別企業交流ブース、自分らしくはたらくスタイルを探すオーダーメードスーツの採寸やメーク講座。そしてLGBTの社会人によるトークセッションや、参加企業のLGBTやダイバーシティの取り組みについて知る講演会など、内容はLGBTの就活生が抱えやすい悩みに寄り添ってくれるものばかり。参加者は思い思いに気になるブースを回ることができます。

「就職にあたって、自分が何をしたいのかを真剣に考えてもいいんだと思えて、とても励まされた。」
「⾃分が就活していた時代にこういったイベントがあったらいいなと思えるくらい、今までで1番希望の持てる就活イベントだった。」

昨年の参加者からは、このような感想が寄せられたそうです。

LGBTであってもなくても、ありのままに、自分らしくはたらく・生きるということ

「当たり前ですが、セクシュアリティがその人を構成する要素のすべてではありません。だからこそ、セクシュアリティにより自身の選択肢を狭めることなく、自分はどのように働きたいのか、どう生きていきたいのかを考えるきっかけとなれたら嬉しいです。」

【写真】笑顔で写るやくしさんと仲間たち。楽しそうな雰囲気が漂う。

得意・不得意も異なれば、好きなものや嫌いなものも人それぞれ。他にも、価値観や経験など、今まで生きてきた軌跡がその人自身の個性になります。

自分の人生を歩むということは、「自分」という素材を輝かせることではないでしょうか。

「自分らしく働きたい」と願う自由は、誰もが持っているあたりまえの権利であるはず。「RAINBOW CROSSHING TOKYO 2017」は、さまざまな人・情報と出会うことで、人生の選択肢が増えるきっかけとなるイベントになると思います。LGBTの方もそうでない方も、興味を持った方はぜひイベントに参加してみてください。

参考情報

RAINBOW CROSSING TOKYO 2017
日時:2017年10月21日(土曜日)14時30分~19時30分 (受付開始:14時00分)
場所:ベルサール飯田橋ファースト(東京都文京区)
参加費:無料(要事前申し込み)
申し込み:http://lgbtcareer.org/rainbowcrossing/

関連情報
Rebit ホームページ
RAINBOW CROSSHING TOKYO 2017 ホームページ