【写真】肩を組んで写る二人の花嫁と一人の花婿。明るい雰囲気が漂う。

「好きなひとと一緒にいたい。
想いが叶ったら結婚もしたいし、みんなに祝福してもらいたい」

きっと多くのひとが、そんな願いを持っていると思います。そして多くのひとにとっては、それは”当たり前”のことかもしれません。

でも、今の日本では同性婚は認められておらず、まだ偏見の目も多く、LGBTカップルは様々な壁にぶつかっているという現状があります。

今回ご紹介するのは、LGBTや様々な愛情のあり方に対する人々の意識を変えたいという思いで立ち上がった、LGBTカップルのブライダルフォト展示会「harMonyプロジェクト」です!

ウェディングフォトを通して「すべての愛は美しい」と伝えたい

【写真】数々のカップルの写真がずらりと並ぶ。どの写真からも幸せな雰囲気が漂う。

harMonyプロジェクトは、LGBTカップルのエピソード×ウェディングフォトを通して、「幸せを祝福する日」をお祝いするプロジェクトです。

ウェディングフォトを撮影するのは、世界的にも有名なカメラマンである、レスリー・キーさん。LGBTの人々にスポットライトを当てた写真展「OUT IN JAPAN」でも、カメラマンとして活躍されています。

いろいろな愛の形を体現するLGBTカップルのウェディングフォトを撮影し、百貨店や駅のような多くの人が往来するパブリックスペースに展示したい、そう考えているようです。そしてたくさんの人に、「すべての愛は美しいんだ」「LGBTだからといって自分たちと変わらないんだ」と感じてもらう。それがこのプロジェクトの目的です。

「自分の好きな人を好きだ」と言えることを夢見ていた

【写真】太陽の光を浴びて笑顔で写るとやまさん。
harMonyプロジェクトを企画したのは、株式会社Letibeeの外山雄太さんです。

外山さん自身、ゲイであることでつらい経験をしたことが、このプロジェクトのきっかけだったそう。

高校生の頃に外山さんは先輩の男性に恋をし、お付き合いを始めました。でも先輩が「お互いにどんなに好きでも、男性同士ではこの先、公にすることなど到底できない」と言われてしまったことから、最終的にはお別れをするに至ったそうです。

「自分の好きな人を好きだと声を大にして言えること、それを祝ってもらえることがどんなに幸せなことかと夢見ていました。」

そんな夢が原動力となり、外山さんはLGBTに対する理解を広げるために「株式会社Letibee」を立ち上げます。企業に対してのダイバーシティを推進するための研修を行ったり、ブライダル業界に対してLGBTの研修を行ったり、企業とイベントやプロジェクトを行うなど、活動は多岐にわたります。

また、外山さんはイラストレーターとして、プライベートでもたくさんのカップルの結婚式のウェルカムボードをつくってきました。

【イラスト】とやまさんがつくった結婚式のウェルカムボード。繊細な線で描かれた絵から、幸せな様子が伝わってくる。

「2人から送られてくる晴れ姿の写真はいつだってどんなカップルであっても幸せそうでした。
そういった経験を経て、「LGBTという、何か特殊なくくり方をされているように見える人たちが、実はあなたの隣に当たり前にいて、同じ人間である」ということを、どんな切り口なら伝えられるのだろうかと日々考えてきました。」

そして外山さんは、自分が見てきた幸せそうなLGBTカップルの姿を多くの人に届けられたら、セクシュアルマイノリティかどうかは関係なく「好きな人同士が一緒になる」ということは素敵なことだと感じてくれるんじゃないかと思いつきます。

「性のあり方やいろいろな愛の形があることを知らなかったり、もともと関心のなかった人に見てもらうことにこだわりたい。そのためには100組のLGBTカップルのウェディングフォトを百貨店や駅のようなパブリックスペースに展示したい!」

外山さんがこれまでの経験を経て感じたこの強い思いから、「harMonyプロジェクト」が始まりました。

3年かけて120組のLGBTカップルフォトを撮影

【写真】カメラの前に立ち、笑顔で写る二人の新郎。温かで幸せな空気が漂っている。
「harMonyプロジェクト」が始動したのは、2015年の東京レインボープライドです。撮影会を開催していた2日間、レスリー・キーさんは休みなくひたすらに撮り続け、総勢120名、60組のカップルを撮影することができました!

写真に映るカップルは、誰しもみんな好きな人と寄り添って最高の笑顔です。

【写真】ポーズの指示をはにかみながら受ける二人の花嫁。

しかし、2016年は運営のための資金が足りず、撮影を続行することができなかったのだそう。

「でもどうしても諦めたくない、このプロジェクトを社会に対して、発信していきたい!」

その一心で、外山さんは様々な人の協力をえて、今年の東京レインボープライドにて撮影を再開させました。今回の撮影テーマは「SUPER LGBT WEDDING」!

【写真】明るく楽しそうに写るとやまさんと仲間たち。

【写真】肩を組んで写る二人の花嫁と一人の花婿。明るい雰囲気が漂う。

今回も大盛況で、多くのLGBTカップルがフォトブースに訪れ、カップルが撮影の時にするキスの瞬間には歓声があがるほどだったそう。

最終的に撮影したカップルは全部で60組超え!2015年に撮影したカップルの写真を足すと、今回の展示会の目標であった100組を超えて、120組近くのカップルの写真が集まりました。

たくさんの人にLGBTカップルの幸せそうな姿を届けたい

【写真】花束を手に、寄り添って写る二人の新郎。幸せな空気が漂う。

外山さんの次の目標は、撮影してウエディングフォトを多くの人に見てもらうために、展示会を開催すること。ただ、それには会場費や写真パネルの印刷代がかかるため、現在協力を募るクラウドファンディングを実施しています。

「このプロジェクトが拡がっていき、たくさんのカップルの幸せそうな姿を見て、素敵だと感じてもらったり、受け入れられなくても向き合うことができたり、そのきっかけになってほしいと思っています。

自分たちの世代にはなかった光景だけれど、こうして2人を見ていると、幸せになってほしいと思ってもらえれば、僕も嬉しい。 これから成長していく子供世代へのメッセージとして、様々な形のカップルのタキシード/ドレス姿を見て自分の未来に夢をみてほしいなと思います。なによりも、好きな人を好きと言える世界に少しでも近づけたいです。 」

【写真】実際の展示会をイメージした様子。数々のカップルの写真を、様々な世代の人が見つめる。

一枚一枚の写真のカップルたちのストーリーを、もっと深く知ってみたい。参加したカップルたちのはじけるような笑顔を見ていると、そんな気持ちになります。

彼らのメッセージが多くの人に届くよう、展示会の実現にたくさんの方にご協力していただけると嬉しいです!

クラウドファンディングのご支援はこちらから

関連情報:
株式会社Letibee ホームページ