【写真】コミュニティユースワーカー1期生募集ウェブサイトのトップページ。

「他者との出会いで、子どもの人生が生き生きとしたものに変わっていく」

以前soarの記事に登場してくださった小澤いぶきさんが代表を務める団体「PIECES」の活動に参加したときに、私は初めてその光景を目にしました。

それはただ大人と子どもが集まって、一緒に料理をし、子どもの誕生日をお祝いするという場。でも、かつて大人を信じることができず、未来に夢を描くこともできなかった彼らが、「こういう日常にありふれた場を積み重ねていくことによって変化してきたんだ」ということをひしひしと感じたのです。

家庭環境が厳しい状況にあり、なかなか人のつながりや経験、機会が得られなかった子どもたち。
そんな彼らも、家族でも先生でもない大人と時間を過ごし、信頼関係が生まれていくに連れて、自分のやってみたいことを口にできるようになったり、大人に頼れるようになったりします。

子どもとこのような関係を紡ぐことは、けっして簡単ではありませんが、教育や発達心理などの専門性がある人しかできないわけではありません。

多様な大人が子どもと共に子どもの育ちに関わるコミュニティを形成してきたNPO法人PIECES(登記申請中)は、この春から地域で子どもに伴走するコミュニティユースワーカーの育成を開始します。

子どもたちが健康的で豊かに生きていける社会を


NPO法人PIECES(登記申請中)は全ての子どもたちが健康的で豊かに学び、育ち、生きていける社会を目指して活動しています。 背景に様々な生きづらさを抱えている子どもたちが、多様な関係性や機会とつながれるようなサポートをしています。

これまで子ども達が「こんなことしたい!」「こんなこと困っている」という思いに応えられるヒト・モノ・コトを見つけて、子どもたちと共にいくつもの場を生み出してきました。

地域の人に家開きをしてもらい一緒にご飯を食べる食卓の場や、大人と子どもがスポーツを楽しむドッジボール大会。

【写真】地域の子どもと大人が食卓に集まり楽しそうに食事をしている

地域の子どもも大人も集まる食卓

プログラミングに興味のある子どものための、プログラミング教室。
高卒認定を取得するための無料塾や、10代のシングルマザーが交流できるママサロン。

【写真】専門家からプログラミングを教わる子どもたち。真剣にパソコンを覗きこんでいる。

プログラミングに関心のある子どもたちが、専門家から教わることができる

【写真】畳の部屋であたたかい雰囲気で机を囲む女性。側では赤ちゃんが遊んでいる。

子育てや自分自身の悩みを他の大人に相談することができる

子どもたちのニーズに合わせて場をカスタマイズし、子どもと様々な人とが自然に関われる様々な場をつくっています。
PIECESの活動が持つ特徴は、今まで一部の専門性や関心のある人しか関わってこなかった子どもの教育や支援の分野に、多様な大人を巻き込んでいること。一緒に料理やスポーツをするなかで会話をする、自分の得意なことを子どもと一緒にやってみることでも、十分子どもたちの成長に関わることができるのです。

子どもの伴走者としてのコミュニティユースワーカー

【写真】あらいさんと子どもたちの集合写真。砂浜の上で、後ろには海が見える。

CYWプログラム責任者である荒井さんと子どもたち

今回募集するCYW(コミュニティ・ユース・ワーカー)は様々な事情を抱える子ども達と地域で出会い、つながり、継続的な関係を築いていく伴走者です。 勉強する場、ご飯を食べる場という用意された場で関わるだけでなく、継続的な関わりの中で、その子どもに必要なものを見極めて関係性や機会を作っていくこと。それを通して、豊かに育ち学んでいける、しなやかで丈夫なコミュニティを子どもと共に作っていくことが最大の特徴です。

このプログラムでは、互いに学び合うチームを形成し、日々の子どもとの関わりの振り返りや他のCYWとの対話を行います。そして子どもたちと直接関わる実践とゼミ形式で学ぶ理論の両面から学びを深め、最終的に地域で子どもを支える新しいコミュニティをつくっていきます。

子ども達は成長するにつれ、抱える問題も大きく変わっていきます。CYWは進学や学校内での人間関係、就職など、状況は多様に変化していくなか、ステージの変わり目でも途切れずにつながり続けていきます。

子どもにとってどんなつながりが必要か考え、地域の様々なセクターの大人と協力し合い、子どもを全方位的にサポートしていくのが特徴です。

子どもたちの可能性を信じる

【写真】ドッチビー大会での体育館での集合写真。子どもたちは様々なポーズをとり楽しそうにしている。

大人も子どもも本気で汗を流すドッチビー大会は、高校生による企画

CYWを育成していくなかで、一番大事なことは「子どもたちの可能性に目を向ける」ということ。

様々な問題を抱えながらも、大変な環境を生き抜いている子どもたちを見ると、どうしてもその問題のほうに目がいきがちになります。でも、どの子どももそれぞれに魅力や可能性を持っていて、安心や信頼、尊重を基盤にして、その力を大きく発揮していくことができます。彼らは、けっして支援されるだけの存在ではありません。

小澤いぶきさん(PIECES代表):
人の健やかな成長や、豊かな「生きる」の一助になるような関係性を紡ぎながら、機会や経験を通して、1人1人の自己決定が生まれ、それぞれが尊重されていく、そんなコミュニティを共につくっていきましょう。

荒井佑介さん(CYWプログラム責任者):
様々な環境を生き抜いてきた子ども達と関わることで、私たちが力をもらっていることを日々感じます。目の前の子に自分は何ができるのか時に悩みますが、仲間と考え抜いて支援を作って、子ども達とのストーリーを紡いでいくプロセスが何よりのやりがいです。

PIECESのメンバーであり、CYWプログラムを運営しているスタッフは、子どもの育ちに関する様々な分野の専門家であり、コミュニティユースワーカーの実践者でもあります。彼らが自分の現場を運営してきた経験から、様々なことが学べるのではないかと思います。

子ども達一人ひとりの存在を尊重し、その可能性が広がるような社会をつくっていきたいという思いのある方は、ぜひコミュニティユースワーカー1期生に応募してみてください。

Community Youth Worker ホームページ

●募集要項
私たちは、ひとりの子に向き合うことを真剣に考え、仲間と学び合い、子どもに関わる多様な大人を巻き込み子ども達を支えるコミュニティを作っていく仲間を募集します。

・募集人数:8名
・対象:子どもと関わることが好きな人。経験者・大学生大歓迎!
・活動期間:約6か月(プログラム終了後も継続可能)
・活動頻度:週2~3日で平日夜、土日が中心(応相談)
・活動場所:葛飾区、豊島区、足立区を中心に都内全域
・待遇:報酬なし(交通費のみ支給)

●CYW育成プログラムとは CYWの特徴は地域で出会う子ども一人ひとりにあった関係性を作っていくことです。そして、チームメンバーのそれぞれの特性を生かして、チームならではの支援を作り出していくことです。 そのためには、あらかじめ用意した研修を受け、現場ですぐ実践するのではなく、目の前の子のために身につけておかなければいけないことは何か、自分たちにできること自分たちが学ばなくてはいけないことは何か、を日々の活動を振り返りながら模索していきます。 CYWの活動の特徴に合わせて育成プログラムをゼミ形式で行います。

●説明会日程
・第1回説明会 3月27日(日)13:00〜15:00
・第2回説明会 3月31日(木)19:00〜21:00
・第3回説明会 4月8日(金)19:00〜21:00
・第4回説明会 4月16日(土)13:00〜15:00
会場:要町駅より徒歩5分。会場の都合により、申し込みのあった方にのみ場所お伝えいたします。

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お問い合わせアドレス:pieces.cyw@gmail.com