【写真】笑顔で並ぶプロジェクトメンバーと参加者

「学校の他の子と違いがあって、気になるんです」
「同世代の子と好きなものの話が合わなくて、学校になじめていなくて」

子どもに関してそういった悩みを持っているお母さんに、今までたくさん会ってきました。今の学校教育のなかではどうしてもはみ出してしまう、でもその分突出した能力や個性は持っている。

そんな子どもたちの持つ力や可能性を伸ばしていくプログラムが、東京大学先端科学技術研究センターと日本財団が行っている「異才発掘プロジェクト ROCKET」です。この春、日本全国各地でROCKETの説明会が行われます!

人とは違う興味・関心を持った子どもの力を伸ばす

2014年から始まった「異才発掘プロジェクト ROCKET」は、突出した能力はあるものの不登校傾向にある、また現在の学校教育になじめていない小中学生に教育の機会を提供するためのプログラム。こちらは、将来の日本をリードしイノベーションを起こす可能性のある異才を育む教育環境を通して、創成することを目指して始まったものです。

【写真】お茶の葉に触れてお茶づくりに取り組む子ども。

PBL=「プロジェクト・ベースド・ラーニング」の一環で一部スカラーが
高知県の限界集落で、伝統のお茶「碁石茶」作りを学んだ。

突出した能力とはけっして知能検査で測るようなものではなく、1つの事柄に対し強い興味・関心があり、そのことを追求するために日々何らかの活動を行っていることを指します。その領域は、学校で学ぶ教科に限らず、音楽・美術・技術などの活動も含みます。

対象年齢は原則として小学校3年生から中学校3年生で、第1期の募集では約600人の応募者から15人、2期は約550人から13人が選抜されました。

異才を育む教育プログラム

書類選考と面接で選ばれたスカラー(子どもたち)は、先端研内に開設された教室に、月に数回のペースで全国から集まり講義を受けます。

スカラーには、科学技術や芸術、スポーツ界など様々な分野で活躍するトップランナーによる講義やディスカッション、プロジェクトベースドラーニング(PBL)と呼ばれる料理や工作など身近なものを題材にした実践型の教育プログラムを提供しているほか、一人ひとりの興味に応じて、インターネットを利用した個別指導も行っています。

これまで、各分野のトップランナーとして「チームラボ」の猪子寿之さんや堀江貴文さんなどが講義を行いました。

【写真】ためすえさんを囲んで話を聞く子どもたち。楽しそうな表情をしている。

為末大さんの講義風景

【写真】小型ロボットを操作するたかはしさん。子どもたちは真剣に興味深そうにロボットを見つめている。

高橋智隆さんの講義風景

異才発掘プロジェクトでは「申請書制度」があり、スカラーたちが欲しいもの、やりたいものを申請することができ、厳しい審査でディレクターを納得させることができれば、要望が叶えられるという制度も。昨年は申請により、3人のスカラーがヨーロッパ研修へ向かいました。

【写真】ヨーロッパ研修での集合写真。

ヨーロッパ研修 へ

本プロジェクトは、公教育ではカバーできない領域を補う仕組みとして注目度も高く、将来的には、学校の設立も視野に事業を展開しているそうです。

全国6カ所で説明会を開催

【写真】会議室での講義の様子。子どもと大人が入り混じって話を聞いている。

2016年度のスカラーを希望される方を対象に、全国6カ所(小樽・秋田・東京・神戸・愛媛・福岡)で、全国説明会を開催します。全国説明会では、プロジェクトについての説明や、そこで行われている学びについて紹介します。

説明会では、ROCKETの教室での活動紹介ビデオ上映、不登校の子の支援の実態解説のほか、コミュニケーションがうまくいかない子どもへのアドバイスが行われます。地域によって開かれる「ROCKET親向けセミナー」では、家庭でできる学びのあり方や、子どもとのコミュニケーションについて実践例を交えながら説明もあるそう。

ROCKETでは、突出した能力を持ちながらも学校教育になじめない子どもたちを「ユニークな子どもたち」と呼んでいます。

他の子との違いをユニークな個性と捉え、その子だけが持つギフトとして伸ばしていくことができれば、きっと自分の可能性を活かし生き生きと人生を歩んでいくことができるのだと思います。

関心のある方は、ぜひ説明会に足を運んでみてください。

説明会の日程・開催場所はこちらから

異才発掘プロジェクト「ROCKET」 ホームページ