あなたにとって”かぞく”はどんな存在ですか?

血のつながりがある親や兄弟を思い出す方もいれば、血のつながりがなくても自分を支えてくれる大切な人を思い出す方もいるでしょう。また、自身が家族との関係に悩んだり、これから家族を築いていくうえで不安を抱いている人もいるかもしれません。

今の日本には、様々な理由で家族との信頼関係が築けなかったり、親と一緒に暮らすことができない子どもたちがいます。彼らは、子どもたちを社会の責任で公的に育てる「社会的養育(養護)」のもとに、乳児院や児童養護施設で暮らしたり、ファミリーホームや里親のもとで育てられたりします。

社会的養育や里親という制度は身近に感じづらい方もいるかもしれません。ですが、家族と暮らせない、関係性がうまく築けないという状況は、どんな家族にでも共通するストーリーを含んでいます。

どんな子どもたちも大人との信頼関係を築き、愛情に包まれて暮らせる”かぞく”のかたちについて考えたい。

そう考えたわたしたちは、2017年8月から1月まで認定NPO法人SOS子どもの村JAPANとともに、里親や養子縁組、または施設のもとで育ったユース、子どもたちとの現場ではたらく人たちのインタビュー等を通し、子どもたちにとってより望ましい「”かぞく”のあり方」とは何か、読者のみなさんと一緒に考えていく企画を展開しています。

私たちは、一般的に捉えられている血のつながりのある家族だけではなく、血縁はなくても心でつながっている”かぞく”のあり方があると考えています。家族ではない様々な人が子どもや若者の人生に関わることは、もう一つの「”かぞく”のかたち」であり、社会全体で子どもを見守り育てていくことにつながります。

今回は「”かぞく”のかたち」を大きなテーマとして、子どもや若者に、血のつながりだけではない、心のつながりがあるかぞくの存在や安心できる居場所を生み出すにはどうしたらいいか、考えていきたいと思います。

イベントでは、まずはじめに認定NPO法人SOS子どもの村JAPAN理事の田北雅裕さんから、生みの親と暮らすことができない子どもたちを里親制度を利用して養育する「子どもの村」の活動や福岡での実践を例に、子どもたちの居場所のあり方について、話題提供して頂きます。

ゲストトーク1人目の登壇者は、児童養護施設や里親家庭を退所した人たちを対象とした無料の相談所「アフターケア相談所ゆずりは」所長の高橋亜美さん。年間で約2万3000件の相談が寄せられているゆずりはでは、若者たちの就労支援プログラムとして「ゆずりは工房」の運営や、子どもと愛着関係を結べないことに悩みを抱える親のセルフケアと問題解決力の回復を目的とした「MY TREE ペアレンツプログラム」も行っています。

2人目は、どんな子どもも尊厳を持って生きられる豊かな社会を目指して、子ども達が孤立しない仕組みをつくる「NPO法人PIECES代表理事」の小澤いぶきさん。児童精神科医でとして様々な子どもや親に関わったのち、現在は子どもたちが好きなことを通して多様な大人と出会っていくサポートを行う「コミュニティユースワーカー」の育成を通じて、専門家だけではなく、市民ひとりひとりが子どもの育ちに関わるきっかけを生み出しています。

社会的養護のもとで育っているかどうかに関わらず、これまでたくさんの子どもや若者の人生、その家族に関わってきたお2人にお話を伺ったあとは、田北雅裕さんをまじえ、トークセッションを行います。

社会全体で子どもを育てていくことに関心のある方、社会的養護や里親などに関心がある方、”かぞく”について考えてみたいという方は、ぜひご参加をお待ちしています!
 

もう一つの”かぞく”のかたち〜子どもたちに多様な大人とのつながりや居場所を生み出すには

【日時】2017年11月13日月曜日 19時00分〜21時30分(開場18時30分)

【定員】70名

【トークゲスト】
高橋亜美(アフターケア相談所「ゆずりは」所長)
小澤いぶき(NPO法人PIECES代表理事、児童精神科医)
田北雅裕(認定NPO法人SOS子どもの村JAPAN 理事、九州大学大学院人間環境学研究院専任講師)

【進行】
工藤瑞穂(NPO法人soar代表理事)

【プログラム】
・soarの紹介(工藤瑞穂)
・SOS子どもの村JAPANや福岡での実践から(田北雅裕さん)
・ゲストトーク① 高橋亜美さん
・ゲストトーク② 小澤いぶきさん
・トークセッション 小澤いぶきさん、高橋亜美さん、田北雅裕さん

【場所】Impact HUB Tokyo (東京都目黒区目黒2丁目11番地3号 印刷工場1階)
https://goo.gl/maps/TJs7MnVNveS2

JR 山手線、都営三田線「目黒」駅から徒歩約8分

※会場はスペースを広くとっております。車椅子の方も気兼ねなくお越しください。

※大変申し訳ありませんが、会場は多目的用トイレがございません。ご了承ください。
車椅子の方はスタッフがサポートいたします。

※保育のサポートはありませんが、お子様連れの方も大歓迎です。

※駅からの移動にサポートが必要な方はスタッフがお手伝いしますので、お問い合わせアドレスへご連絡ください。

連絡先 event@soar-world.com

【参加費】
2,000円(1ドリンク)
soarサポーター会員価格:1,500円(1ドリンク)
学生価格:1,500円(1ドリンク)

チケットはこちらから

※クレジットカードだけでなく、コンビニやATMでのお振込みもご利用いただけます。

※「参加したいけれど、病気や障害、心の不調、現在の環境が理由で就労が難しく経済的にきびしい」など理由のある方は、5名様限定で参加費の減額や無料参加とさせていただきますので、お気軽にご連絡ください。

【主催】
NPO法人soar https://soar-world.com/
お問い合わせ event@soar-world.com

【共催】
認定NPO法人SOS子どもの村JAPAN
「すべての子どもに愛ある家庭を〜a loving home for every child」 をスローガンに、生みの親と暮らすことができない子どもたちを里親制度を利用した新たな家庭環境 「子どもの村」で養育する活動や、相談事業などを通し、困難を抱えた子どもとその家族を支える活動に取り組んでいます。 http://www.sosjapan.org/

【出演者プロフィール】

・高橋亜美さん

アフターケア相談所「ゆずりは」所長

1973年生まれ。日本社会事業大学児童福祉学部卒業。
自立援助ホーム「あすなろ荘」の職員として9年間勤務後、児童養護施設や里親家庭を退所した人たちを対象とした無料の相談所「アフターケア相談所「ゆずりは」所長に就任。著書(共著もあり)「愛されなかった私たちが愛を知るまで」(かもがわ出版)、「施設で育った子どもの自立支援」(明石書店)、「はじめてはいたくつした」(百年書房)等。 http://www.acyuzuriha.com

・小澤いぶきさん

NPO法人PIECES代表理事
児童精神科医/東京大学先端科学技術研究センター研究員

医学部医学科卒業後、精神科医を経て、児童精神科医として複数の病院で勤務。トラウマ臨床、虐待臨床、発達障害臨床を専門として臨床に携わったのち、NPOを立ち上げる。東京都、島根県、新宿区等、多数の自治体のアドバイザーを務める。2017年3月世界各国のリーダーが集まるザルツブルグカンファレンス招待され、子供のウェルビーイング達成に向けたザルツブルグステイトメント作成に関わる。2016年、 Fish Family Foundationのプログラムの4名に推薦され、ボストンにて研修を受ける。 http://www.pieces.tokyo

・田北雅裕さん

認定NPO法人SOS子どもの村JAPAN 理事・九州大学大学院人間環境学研究院 専任講師

2000年、デザイン活動triviaを開始。以降、まちづくりという切り口から様々なプロジェクトに携わる。2009年、九州大学に着任。現在は、教育学部で教鞭をとる傍ら、SOS子どもの村JAPAN コミュニケーション部ディレクター、福岡市里親委託等推進委員などを務め、里親普及をはじめとした子どもの福祉に関する課題をデザインで解決していく実践に取り組んでいる。著書(共著)に「クリエイティブ・コミュニティ・デザイン / フィルムアート社」。 http://trivia.gr.jp

・工藤瑞穂

「soar」代表・編集長。

1984年青森県生まれ。宮城教育大学卒、青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム修了。仙台の日本赤十字社で勤務中、東日本大震災を経験。震災後、「小さくても、わたしはわたしにできることを」をコンセプトに、仙台で音楽・ダンス・アート・フードと社会課題についての学びと対話の場を融合したチャリティーイベントを多数開催。地域の課題に楽しく取り組みながらコミュニティを形成していくため、お寺、神社、幼稚園など街にある資源を生かしながら様々なフェスティバルを地域住民とともにつくる。2015年12月より、社会的マイノリティの人々の可能性を広げる活動に焦点を当てたメディア「soar」をオープン。イベント開催、リサーチプロジェクトなど様々なアプローチで、全ての人が自分の持つ可能性を発揮して生きていける未来づくりを目指している。 https://soar-world.com/