【写真】メイクをしているながおようこさんと編集長のくどうみずほ

自分の外見が好きだ。自分が好きだ。

そんなふうに堂々と言うことができたなら、どんなに素敵なことでしょうか。

でも実際の私は、鏡に映る自分を見つめるたびに、“自分の好きではないところ”をつい考えてしまうことがあります。

「もう少し背が高かったら。目が大きかったら。この傷跡がなければ…。」

“よりよくありたい”という気持ちはきっと、多くの人にも共通する願いで、それを外見に求めることもまた悪いことではないのだと思います。

けれども、それに悩みすぎてどうしても後ろ向きな気持ちになってしまう人も多いはず。外見のコンプレックスは、自身の内面にも大きく影響します。

今回私たちがお話を伺ったのは、メイクの力を用いて、外見のコンプレックスに悩む人の背中を押してくれる人たち。銀座や梅田にセンターを構える、火傷やあざなどをメイクでカバーする技術を提供する「NPO法人メディカルメイクアップアソシエーション(以下、MMA)」です。

実際にsoarスタッフもメイク施術を体験させてもらい、みなさんがメイクを通してどのようなサポートを提供しているのかを伺いました。

自分で簡単に皮膚変色や傷跡をカバーすることができる「メディカルメイクアップ」

【写真】笑顔のながおようこさんとこいづかちかこさん

銀座駅から徒歩数分。訪れたのは、ビルの8階にある「メディカルメイクアップアソシエーション銀座センター」です。

こんにちは!

出迎えてくれたのは事務局長の小井塚千加子さんと、インストラクターの長尾陽子さん。お二人のさわやかな笑顔と清潔感のある内装に、私たちもホッとして思わず笑顔になりました。

メディカルメイクアップとは、あらゆる皮膚変色や皮膚障害をカバーするためのメイクアップ技術のこと。病気による皮膚変色やアザ、母斑、血管腫、白斑、事故の傷跡など「色」に関することであれば、ほとんどをきれいにカバーすることができます。

しかも、メディカルメイクアップは専門家の技術が必要なのではなく、私たちでもすぐに習得できてしまうのです!

【写真】個室のメイクルームは明るいライトに照らされている

MMAはどんな方でも利用できるサービス。まず最初に、1時間程度の無料カウンセリングを受けます。個室のメイクルームで、インストラクターに悩みを相談したり、メイクの施術を受けたり。そしてカウンセリング後はご自身でメイクを行えるよう、実践型の指導もしています。

ここ銀座のセンターの他に、大阪の梅田センターや、病院など一部医療機関でもカウンセリングを実施しているそうです。

施術後はおもわず笑顔になる!メディカルメイクアップを体験

カウンセリングと施術を、soar編集長の工藤瑞穂と、編集部の長島美菜も体験させてもらいました!メイクでカバーしたのは首にある数センチの手術の跡と、幼い頃からある腕の傷です。

まずはインストラクターの長尾さんの指導のもと、カバーマークオリジナルというファンデーションをメインに、18色の中から色を選んでいきます。人により様々ではありますが、だいたい2~3色を組み合わせて使うことが多いのだとか。日焼け部分や、肌の明るいところなど、同じ人でも部位によって色を加え調整も行います。

【写真】肌の色を見ているながおようこさん

長尾さん:化粧水で肌を整えたあとは、下地を塗ったうえでファンデーション。気になる症状が隠れたら、パウダーでファンデーションを定着させていきましょう。

一通りレクチャーを受けながらメディカルメイクアップ施術を受けていきます。だんだんと傷跡がカバーされていく様子に、自然と笑顔もこぼれます。

【写真】微笑んでいるながおようこさんと笑顔のくどうみずほ

お話をしているうちに、あっという間に完成!近くから見ても、写真に撮っても、全くわからないまでになりました。

【写真】傷跡がなくなっている

工藤:すごい!こんなに一瞬なんですね!

綺麗に施されたメディカルメイクアップですが、ここで一旦クレンジングでメイクを落とし、続いては工藤自らが実践。ファンデーションの選び方、肌へののせ方のコツなど一つ一つの工程を丁寧に指導してくださるので、初めてでも言われた通りに進めるだけで、綺麗にカバーすることができました。

【写真】自分でメディカルメイクアップをするくどうみずほ

一連の流れや細かいポイントはパンフレットにも記載されているとのこと。もちろんカウンセリング後も何度でも相談に来ることもできる、安心のサポート体制です。

続いては長島の幼い頃にできてしまったという腕の傷。立体的な形状ですが、どこまでカバーすることができるのでしょうか。

【写真】少し膨らんでいる傷跡

【写真】ほとんど目立たなくなった傷跡

範囲が小さいこともあり、なんとものの数分で完成です!立体的な傷であっても色味を合わせたファンデーションを使用することで、ほとんど目立たなくなりました。

長島:これまで傷のことを気にしたことはなかったんです。そんなに目立たないし、仕方がないしと思っていて。けれど今こうしてカバーしてもらうと、気にしていなかったはずなのに、自分でも驚くほど嬉しいです!

私から見ても、2人のメイク施術後の嬉しそうな姿がとても印象的でした。たった数センチのメイクがこんなにも人を元気にするなんて…メイクに秘められた計り知れないパワーを感じます。

またこの日は生まれつき母斑があり、自身の経験をきっかけに、アドバイザーとなった方にもお会いしました。母斑があるのは背中の右肩あたり。実際にメディカルメイクアップ施術を行う様子も見せてもらいました。

右肩付近に母斑の症状があります。

【写真】母斑の症状が全くわからなくなっている

メイク後の様子。

こんなふうに広範囲にわたるあざも、ファンデーションで綺麗にカバーすることができます。この方は症状が背中にあるため、普段は洋服を着ることであざのことはほとんど意識しないそうですが、これまでの人生ではあざを気にせざるをえない場面もありました。

学生のときは健康診断とか、プールの時間が嫌でしたね、いちいち説明しなくてはならないので…。結婚にも不安を抱いていたこともありました。

晴れて結婚が決まったら今度はウエディングドレス。母斑が隠れるものってなかなかなくて選ぶのが大変でした。結局母斑が見えないようにと、あまり好みじゃないものを選びましたね。

ご自身が経験してきたからこそ、メディカルメイクを知ったとき、誰かに施術できるようになりたいと感じたそう。すぐにメディカルメイクアップの講座を受け、現在はMMAのアドバイザーとして、ボランティアや地方でのメイク施術など活動のお手伝いもしています。

訪れる人それぞれの思いに寄り添った“メディカルメイクアップ”を

【写真】質問に丁寧に応えてくれるながおようこさん

MMAには親御さんに連れられてくる子供から高齢者まで、老若男女さまざまな人が、それぞれ目的を持って来店します。あざや傷跡をカバーしたい方はもちろん、タトゥーをカバーしたいという方や、シミやたるみなど歳をとるにつれて気になるという、日常のメイクの相談で来る方もいるのだとか。

長尾さん:「こんにちは、暑かったですね。」から始まって、「どうしたいのか」「どんなふうに隠したいのか」「どこが、どんなときに気になるのか」と話をしていきます。

例えば、毎日する顔のメイクの方もいれば、結婚式や水着に着用するとき、温泉にいくときなどに一時的にメイクをしたいという方もいます。

メイクでカバーをしたい理由も人によって様々です。夏で露出が増えるから気になる方や、健康診断などその“場”のためにカバーする必要がある場合。そして四六時中誰にも見られなくても気になってしまうからと、「人に見られていなくても自分のためにメイクをしたい」といったケースもあるのです。

完成後は、インストラクターより顔や身体の部位によってメイクが落ちないようにスプレーを使用した技術的な工夫も教えてもらうことができます。

また技術以外にもメイクを通してカウンセリングのように話を聞くこともあるのだとか。MMAのインストラクターは全員が皮膚変色などを持ち、ご自身もまたメディカルメイクアップを実践しています。そのためカウンセリングでは、インストラクターも同じ目線で、来店される方のお話をじっくりと伺うことができるのです。

そうして完成したメイクを見て、「綺麗になった!」と喜んでくれるお客様もいるそう。ただ、全てのお客様がそうというわけではありません。

長尾さん:喜んでくださる方が多いですが、「ありがとうございました。じゃあ落として帰ります」「すごいわね、将来使うわ」とあっさりおっしゃる方もいるんですよ(笑)。

「カバーできるという事実が分かっただけで、ひとまず安心」と思ってもらっているみたいです。MMAではこんなふうに色々な用途でメイクを利用してもらっています。

初めてのメディカルメイクアップ。傷跡をカバーしながら感じたのは喜びではなくショックだった

【写真】微笑んでインタビューに答えるながおようこさん

長尾さんご自身は大学3年生のときに大やけどを経験。そこから移植手術などを経てメディカルメイクアップに出会いました。

長尾さん:私は初めてメディカルメイクアップをしたとき、実はすっごいショックだったんです。ここまでひどかったかって。現実をまじまじと突きつけられたようでしたね。

メイクを厚く重ね変化していく自分を見ることは、自らと向き合うことでもあったのだといいます。

長尾さん:怪我を負ったという事実ではなくて、外見的にこれだけ変わってしまったんだって。私の傷は先天的ではないから、生まれつき慣れ親しんだものでもない。「ある日突然できた傷が、人にはこんなふうに見えるんだ」と、メイクを通して再認識するような感じでした。

メイクに出会ったことで、大きなショックを受けた長尾さん。でも、長尾さんを癒していったのもまたメイクでした。

長尾さん:最初のショックって逆にいうと、喜びの裏返しだったんですよ。メイクでこれだけ変われるのに、私は素直に喜ぶことができなかった。だからこそ、メイクのすごさをわかっていたし「学んでみよう」と思えるようになりました。

私の傷は、新陳代謝でも完全には消えないし、凹凸があるから光があたれば見えてしまう。でもメイクやお手入れしていく中で心地よくなってくると、日に日にそういう重荷が減るんですね。「心地よいことでいいじゃない」って思えてくるんです。

【写真】インタビューに答えるながおようこさん

長尾さんは日々のメイクを通して自らと向き合い、ゆっくりと自分を受け入れていったのでした。カウンセリングをするとき大切にしているのは、「人それぞれのゴールがあっていい。どんな答えでも“大丈夫”」と伝えることだそうです。

長尾さん:傷跡やあざは隠してもいいし、隠さなくてもいい。隠したいならばここまで出来るよって伝える。選択を増やしてもらうようなイメージです。

ご自身が“大丈夫”って思えるような状態が良いなと思うんです。その手段の一つとしての、メイクを通してのカウンセリングなんですね。介してるのは化粧品だけれど、お客様は心と心のそういった部分のきっかけを得るために、ここにきているのかもしれないと思ったりもします。

「あざのことは気にしていない」ふりをして過ごした幼少期

多様な目的で使われるメディカルメイクアップは、今のように普及するまでどのような経緯があったのでしょうか。

メディカルメイクアップにおよそ40年もの間関わり、MMAの立ち上げにも携わったという事務局長の小井塚さんに、ご自身の経験からMMAでの活動などを伺いました。

【写真】真剣な表情でインタビューに答えるこいづかちかこさん

小井塚さんは生まれたときから顔の右半分全体に、太田母斑という青あざのような症状があります。小さい頃はあざを気にして髪は絶対に結ばずおろしていたのだといいます。

物心ついたときから、母斑のことは“気にしていない”ふりをしながら過ごし、明るく元気に振る舞っていた小井塚さん。そのせいか、幸いいじめにあうことはなかったのだそうです。

小井塚さん:今思うと無意識にうわべだけで振舞っていたのかなあって。大人になった今、幼少期の記憶があまりないんです。人の顔も名前も覚えていない。同級生に会ってもわからなかったりして。「あんなに仲良かったじゃない!」なんて言われるんですけどね。

「親を悲しませちゃいけない」という思いと、自分のためにも「強い自分であらねば」と幼い頃から考えていた小井塚さんは、ご両親の前でも素直な自分を見せていなかったと振り返ります。

小井塚さん:母も優しかったんですよ。ただ、家に来客があったときに「奥行ってなさい」と言われていたことが印象に残っていて。(来客から母斑について触れられることで)嫌な思いをしないよう配慮だったのだと思うけれど、仲間外れにされたようで、隠さないといけないものを抱えているようで、私は本当は嫌でしたね。

メディカルメイクのことを最初に知ったのは、病院の先生からの紹介でした。治療を探して札幌まで行ったとき、当時の治療では傷がつくからと断念することになり、代替案として将来的にカバーマーク(メディカルメイク)の使用を勧められたのです。

【写真】様々なメイク道具

高校卒業後のある日、小井塚さんはデパートで偶然カバーマークの体験を受けます。そのときは当時の技術の限界もあり、今では考えられないような“厚塗り”メイクの施術だったのだそう。

小井塚さん:“壁”みたいに厚塗りされましたけど、それでも私は嬉しかったですよ。黒いの(あざ)が隠れたっていう喜びはすごかったですね。でも一緒に行った姉はあまりの厚塗りに愕然として、「早く落として帰ろう」と言っていました。

その後はメイクをしながら短大に通い、保育士を目指して勉強をしていた小井塚さん。将来を変える転機は突然訪れました。泊りがけの保育園での教育実習で夜までずっとメイクをしていた小井塚さんに、子どもから「先生きれいすぎてやだ」と言われてしまったのです。

小井塚さん:きれいすぎるというのは、ファンデーションのことなんです。ずっと化粧をして本当の顔を見せないことが、子どもには違和感だったのかなあ。

他にもメイクが落ちることを懸念して、子どもたちと触れ合うときに無意識に顔を背けてしまうこともありました。「これでは子どもと親しくなれない」と思った小井塚さんは、保育士になることを諦め、「今の自分を生かして働きたい」と思うようになります。

小井塚さん:「この顔を生かしてできる仕事は何だろう」と考えました。そこで、まず単純にきれいになろうと思ったんです。それまで私は隠そう隠そうと思っていたのでメイクが厚かったんですけど、もっと上手になりたいと思って。

その勢いでデパートでメディカルメイクアップの施術体験などを開催する、ジャパンオリリー株式会社(現オリリー株式会社)に手紙を送り、入社が決まったのです。

「あざは気にならない」と言い切ることは、きっとできないけれど

【写真】丁寧に質問に応えてくれるこいづかちかこさんとライターのまつもとあやか

幼少期から顔のあざを気にして、自分の本当の気持ちを抑えることも多かった小井塚さん。仕事をターニングポイントに、人生が変わっていったと話します。

全国に赴き、デモンストレーションや講習会開催や、美容室や化粧品店への教育も実施する日々。お客様の数はあまりにも多く、毎日何枚も何枚も思いが綴られた手紙も届いていたそうです。

小井塚さん:私はこの仕事が好き、人と話すことが好きなんです。仕事を通してたくさんの出会いに恵まれました。ハンセン病患者さんのところでデモンストレーションをしたり、私よりはるかに大変な状況の子どもに出会ったこともあり、考えさせられましたね。

お客様と共感し合える瞬間が多くて、こんな思いをしているのは私一人じゃないんだって感じます。そして皆さんにも希望を持ってもらいたいと思うようになりました。

【写真】真剣な表情でインタビューに答えるこいづかちかこさん

「それでも…」と小井塚さんは続けます。

小井塚さん:仕事をしながら人を励まし、そして励まされながらも、あざのことは”気にしない”なんて思えない自分もいるんです。

小井塚さんはご自身の家族の前では「素顔で表には出たくない」と、つい本音をこぼしたともあったそうです。

小井塚さん:お客様からも「あざのことを気にしていないから仕事ができるんですね」とか、「達観しているからいいですよね」って言われることもあるんですけど、いやいやいや。本当は気にしているのよ。

でもしょうがないじゃないですか、あるものだから。一生死ぬまであざを気にするのかなあ、なんて思う瞬間もありますよ。でも気にならない瞬間もあったり…やっぱり気にしてしまったり。なんだか矛盾してるよね。

でも…自分が悩んでいるからこそ誰かの相談に乗れるのかも。

小井塚さんはお客様にご自身が経験してきたこと、今も抱える思いなどを伝え、「私もそうなのよ」と分かち合ってきました。

小井塚さん:同じ立場だからこそ、私はメイクでカバーすることで表に出て、行動力もついてあちこち行けるようになった。メディカルメイクアップがきっかけで変われたっていうことを伝えることができるのかなあ。

お客様には教えているって感覚ではなくて…一緒に喋ってる、お話しているって感覚でこれまでやってきました。

【写真】インタビューに答えるこいづかちかこさん

あざや傷跡がある方の他にも、看護師さんやメイクアップアーティストさんが技術の習得で来店したり、抗がん剤治療の影響でシミや顔色が気になるからという理由で、がん患者さんも多く来店しています。

何年もお付き合いのあるお客様の、だんだんと人生が変わっていく様子を一緒に見守ることができるのもまた、この仕事の大きな喜びの一つなのだといいます。

MMAの事務局スタッフの一人も、もともとは小学校の頃から母親に連れられてMMAに来ていたのだとか。小井塚さんは懐かしそうに笑顔を浮かべて話をしてくれました。

小井塚さん:大人になって来てくれたとき、あんなに小さくて訳も分からず来ていたお子さんがものすごく綺麗になっていたのが嬉しくて嬉しくて!思わずこの仕事したらいいんじゃない?って誘ったんですよ。

メイクによって人生を踏み出し、今度はそれを伝える側に回る。MMAではお客様とスタッフという垣根を超えて、人と人とのつながりをも紡いでいるのです。

メイクで綺麗になったことをスタートに、自分の好きなところに羽ばたいてほしい

【写真】微笑んでインタビューに答えるこいづかちかこさん

メディカルメイクアップの施術は完成して綺麗になったお客様の喜ぶ表情を見る、華やかな瞬間に目が行きがちです。けれども小井塚さんが着目しているのは、綺麗になった“その先”のこと。

外見は周囲にも大きな影響を与えます。あざのある子どもの母親で、あざのことばかりに悩んでいた方に出会ったとこともありました。

小井塚さん:お母さんも辛かったんですよね。でももう明日からは悩まなくていい。思いっきりお子さんと楽しい時間を過ごしていいと、メディカルメイクアップがあれば伝えることができるんです。

メイクによりその人の可能性が広がっていくことは、本人はもちろん周囲の人にも安心や喜びを与えることに繋がります。

小井塚さん:気にしていたことをメイクでカバーしちゃえば、違うところにエネルギーを持っていけるでしょ。メイクはスタートラインで、そこから恋愛も仕事も勉強も、やりたいことを頑張ればいい。「好きなところに行ってらっしゃい」というような気持ちです。

あざや傷跡の症状があっても、結婚はできる。やりたいことを諦めないで、何にでも挑戦していいの。小井塚さんはメディカルメイクアップを通して、そんなふうに外見に悩む人たちの背中を押してきたのです。

小井塚さん:メイクは全ての解決にはならないけど、一歩進まないと何も進まないじゃないですか。だから一歩進むスタートとして、きっかけとして、ここに来てもらえたら良いのかなって思っています。

【写真】笑顔のながおようこさん、こいづかちかこさん、ライターのまつもとあやか

「メイクでカバーする」という選択肢があることで、「今まで気にしていたことを、もう気にしなくていい」状態になることができる。

それだけで、ネガティブな気持ちがなくなり、自分の好きなことに目を向けられるようになるかもしれません。

MMAに集まる人たちはそれぞれ、メイクに“自分なりの価値”を見出しています。コンプレックスをカバーをするためのメイク、自分を見つめ直すためのメイク、あるだけで安心できる存在としてのメイク。それは人によって様々で、メイクは今の自分と向き合い歩んでいくための、選択肢の一つなのです。

もし今、自分の外見に悩みがある方がいたら、ぜひMMAを訪れてみてください。きっとそこにはコンプレックスを”隠す”ためではなく、”新しい一歩を踏み出すため”のきっかけがあるはずです。

関連情報:
メディカルメイクアップアソシエーション ホームページ

(写真/馬場加奈子、協力/長島美菜)