入学式・卒業式や、結婚式など、人生の節目では、思い出をかたちに残している人は多いのではないでしょうか。
昔撮った写真は、見返すたびにそのときの風景や思い出を鮮明に思い出すことができます。
私の中で最も大きかった出来事は、「成人式」でした。母と一緒に選んだ振袖を着て笑う前撮り写真を見ると、祝福の言葉をかけてくれた家族の優しい眼差しを思い出します。20歳という節目で撮った写真は私にとって、今後将来に悩んだときに振り返る、ターニングポイントのようなものです。
しかし、「成人式の前撮り写真」は、誰にとっても当たり前のものではありません。
例えば、18歳で児童養護施設を退所した人の中には、振袖代から、着付け・ヘアメイク、撮影代などにかかる費用が安いとは言い難いことを理由に、前撮り撮影を諦めることもあるのです。
児童養護施設で育った子どもたちを対象に、無償で成人式の前撮り撮影をする団体がある。
そう聞いたとき、「思い出をかたちに残す」ことで支援を行なっている団体があることに心が惹かれ、実際に撮影会に足を運んでみました。
成人式の前撮り撮影を無償で行う「ACHA project」
今回ご紹介するのは、児童養護施設出身者を対象に成人式の前撮り撮影を行う「ACHA project」。振袖撮影だけでなく、児童養護施設で生活する子どもたちの七五三の撮影も行なっているボランティア団体です。東京を拠点として活動していますが、大阪・神戸など関西で撮影を行うこともあります。
振袖のレンタルから、着付けやヘアセット、写真撮影まで、全ての準備を無償で行なっています。
撮影の依頼はホームページからの問い合わせや、児童養護施設職員からの紹介などが多いそう。依頼を受けたら、実際に本人に会って打ち合わせを行います。本人の希望を聞いたり当日の撮影の段取りを決めることで、特別な日に向けての準備を行うのです。
私たちが取材に伺ったのは、都内での撮影の日。会場である児童センターの一室に入ると、二人の女の子が交互に着付けとヘアメイクを行い、その様子をカメラマンが撮影していました。
着物、帯、メイク、そして髪型を整えて、だんだんと綺麗になっていく女の子たちをみている私たちに「こんにちは」と笑顔で声をかけてくれたのは、山本昌子さんです。
物心がついたときから大好きだった児童養護施設での暮らし
昌子さんは、現在保育士として児童館で働きながら、ACHA projectの代表を務めています。立ち上げのたきっかけには、昌子さんご自身が生後4ヶ月から18歳まで児童養護施設で育ったことが関係しています。
幼少期から活発で元気だったという昌子さん。一緒に暮らす職員さんや子どもたちのことが大好きで、毎日楽しく暮らしていました。
昌子さん:小学4年生ぐらいまでは、「日本の子どもたちの半分は、シングル家庭だったり、施設で暮らしていたりするんでしょ?」と思っていました(笑)。私にとって施設での生活はそのくらい自然なものだったんです。
その思いは、施設で暮らす自分の環境は、他の人とは違うと知った後も、変わらないまま。「毎日レストランの料理を食べていたようだった」というほどに美味しい食事も、施設内で様々な人との出会いがあることも、すごく恵まれていると感じていたそうです。
昌子さん:本当に施設での生活が大好きだったので、周りから施設での暮らしについて何か言われても「これが私の人生でしょ!」と当たり前に思っていました。
そう思っていた理由の一つに、昌子さんが「育て親」と呼んでいる施設職員の存在があります。
自分の人生に負い目を感じる必要はない。大変なことがあるなら、みんなで支えあって生きていけばいい
家族とは、血の繋がりだけがすべてじゃないし、親と自分は別々の人間だから、自分も親と同じ人生を辿るわけではない。どう生きるのかは、自分で選びなさい
「育て親」からもらった言葉の数々は、今でも心に深く残っているのだと話してくれました。
施設では子どもたちの入退所が多く、寂しい思いを抱くこともあったといいます。それでもだんだんと、「ひとつひとつの出会いを大切にできるようになれば、家庭で育った子たちとは別の形の幸せを得られるのではないか」と思えるようになりました。
今まで築き上げてきたものが無くなってしまうのではないかと不安だった退所後の暮らし
日本における児童養護施設では、原則18歳を迎えた後は退所し他の場所で暮らさなければなりません。物心がつく前から施設で生活していた昌子さんにも、退所する時期がやってきました。
「育て親」への憧れから、自らも児童養護施設職員になりたいと思うようになった昌子さんは、退所後は父親と一緒に暮らし、保育士の専門学校に通うことになっていました。
しかし、高校を卒業する3か月前になって突然、合格していた専門学校を辞退せざるを得なくなりました。父親の都合によって、一緒に暮らすことも、学費を払ってもらうこともできなくなってしまったからです。
え?なんで?
そう思い続けても、状況が変わることはありませんでした。
昌子さん:施設を出た先は何も残っていないし、今まで築いてきたものもよくわからないというか。自分の居場所もわからないし、施設を出て私の人生は終わったんだ、と思いました。
その後昌子さんは、児童養護施設を退所した原則15歳から20歳までの子どもたちに向けて、アフターケアをしている「自立援助ホーム」で暮らしはじめます。
育て親のような施設職員になりたいという思いを強く抱いていた昌子さんは、高校卒業時に望んでいた進路選択ができなかったものの、夢を諦めることはしませんでした。アルバイトをしながらなんとか学費を貯めて、翌年に専門学校へ入学します。こうして、自らの力で新たな一歩を踏み出したのです。
しかし、退所後に突然一人きりで暮らしを立て直さなければならなかったことでの忙しさと寂しさで、徐々に心をふさぎ込むようになります。
昌子さん:多くの方から心配する言葉や優しい言葉をもらっても、「じゃあなんで今私のそばにいないの?目の前にいないのなら口で言ってるだけじゃん、嘘つき」といったマイナスな感情を抱くようになりました。
どんなに辛くて苦しくても、支えてくれたのは育て親からもらった愛情
辛い感情があふれる中で昌子さんが思い出したのは、「育て親」と過ごした日々でした。
昌子さん:「死にたい」と思っても、人生を振り返るとやっぱり育て親から受けた愛情を思い出すんです。育て親が私のためにかけてくれた時間や仕事を無駄にしたくない、育て親が死ぬまでは、何があっても生きようと思っていました。
何度死にたい、辛い、と思っても同時に思い浮かぶのは「育て親」からもらった言葉や思い出たち。それらが昌子さんのマイナスな感情のブレーキとなり、アルバイトや専門学校に通い続けることができました。
「あなたは大切な存在だから、生まれてきてよかったと思ってほしい」
21歳の時、昌子さんが抱き続けていた「私を大事にしてくれる人はいないのではないか」という考えが変化する出来事が訪れます。日々を精一杯生きる一方で、拭いきれない寂しさから、昌子さんはSNSで「生きていくのが辛い」「何もかもが嫌だ」といった投稿をしていました。
専門学校の先輩である「アチャさん」は、それらの投稿を見て、昌子さんを心配している人のうちの一人でした。
アチャさんは、昌子さんの発言から感じる自尊心の低さに対して何かできることはないか、と日頃から模索していたそうです。そんな折、一緒にご飯を食べながら話していたとき「振袖」の話題があがります。
成人式は、振袖を着て参加したの?
実は昌子さんは、振袖を着てもいなければ、成人式に参加もしていませんでした。当時の昌子さんは一人暮らしをはじめたばかり。アルバイトで学費と生活費も稼ぎながら学業を両立させることにいっぱいいっぱいだったのです。
自分が成人しても誰も喜ぶ人はいないだろう。
そんなことを思い、SNS上で友達が振袖を着ている写真を見て、羨ましいと思っていても、昌子さんは「自分は行きたくない」といった素振りをしていました。
着てないです。
そう答えると、昌子さんに対して何かしたいという思いと、昌子さんが振袖を着たことがないという事実がアチャさんの中で結びつき、ある一つの提案が生まれたのだといいます。
じゃあ撮影しにいこう!私がお金を出すから!
昌子さんが想像もしなかった言葉とともに、アチャさんは昌子さんを撮影スタジオへ連れていってくれました。
着れないだろうと思っていた振袖を、1年越しに着ることができるなんて。
思い出として残せた写真を「育て親」にも見せたい!
写真撮影が終わり、嬉しそうに笑う自分の写真をみて、昌子さんの胸には様々な感情が込み上げます。
アチャさん:自分は大事にされない存在なんだと思ってるみたいだけど、そんなことはない。あなたは大切な存在だし、生まれてきてよかったと思ってほしい。
アチャさんの言葉は昌子さんにとって、「自分を大事にしてくれる人はいるんだ」ということを知るきっかけとなりました。
「離れていても、私を愛してくれていたんだ」
その後専門学校で保育の勉強をしていくうちに、昌子さんは「自分自身の生い立ちに向き合いたい」と思うようになりました。頑張って通い続けた学校を卒業したタイミングでその思いは一層強くなり、「お世話になった人たちに、目標に向かって卒業した姿を見てもらおう」と決めます。
そこで、今までお世話になった職員さんや学校の先生など様々な人に、卒業したことを伝えに行きました。実際に会ってみると、昌子さんの成長を喜び涙を流す人や、「頑張ったんだね」と声をかけてくれた人がたくさんいたのだそうです。
昌子さん:18歳の頃は、誰からどんな言葉をもらっても、「今、目の前にはいないんだから、私のことなんて大切に思っていないじゃん」と思っていました。でも、「距離が離れていても、私のことを考えてくれていたんだ。そこには変わらない愛がちゃんとあったんだ」と思えるようになったんです。
アチャさんから振袖の撮影をしてもらえたこと。そして卒業後にお世話になった人たちに会いにいったことを通して、昌子さんは「愛されている」という実感を得ることができました。そして、今度は自分と同じ立場の子どもたちを支援する活動をしたいと思うようになります。
昌子さん:私自身、退所後の18歳から21歳の間がすごく辛くて、不安定でした。だから、同じ思いを抱いている子どもたちに対してできることをしたいと思ったんです。振袖姿を祝ってもらえた経験は私の中ですごく大きくて、同じことをしよう!と勢いで計画しました。
昌子さんは2016年の3月に計画をはじめ、SNS上でプロジェクトを立ち上げることやプロジェクトに込めた思いについての発信を行います。「ACHA project」の名前の由来には、自分は愛されていると気付かせてくれたアチャさんへの感謝の気持ちがあります。発信を始めると、その思いに共感した方からの反響もあり、仲間を募ったのちになんと1ヶ月後には第一回の撮影を行うことができました。
はじめは、自身が育った施設で暮らす”妹たち”のために行なっていた撮影でしたが、各地の施設職員からの依頼も増えたことにより、現在は月に1,2回の頻度で開催しています。
前撮り撮影をしてあげたいと思っていても、日々の業務が忙しいために施設で振袖の撮影をしているところはあまり多くはないそうです。退所後のアフターケアまで手が届かず、「やりたいのにやれないのがもどかしい」という職員からの多くの声が昌子さんの元へ届いています。
ACHA projectは、こうした職員の思いを代弁し、振袖撮影というかたちで子どもたちに届ける活動でもあるのです。
二人の大切な時間が、温かい思い出になるように
第一回の撮影から根気強く活動を行い、多くの子どもたちに特別な機会を作り続けて2年が経ちます。私たちは、記念すべき20回目の撮影に伺いました。この日撮影をしていた女の子は、たかこさんとまなみさんです。
二人は同じ施設で育ち、かれこれ5年間の付き合いで、まるで姉妹のような仲だそう。施設職員さんがまなみさんに紹介したことからACHA projectを知り、まなみさんがたかこさんを誘って二人で撮影をすることになりました。
たかこさん:何より大事な友達と2人で振袖を着てゆっくり撮影をして、思い出を残すことができるってことが、私の中ですごく大きいです。
まっすぐこちらをみて微笑みながらそう話してくれたのは、たかこさん。
たかこさんは20歳になることに、「大人になることへの責任」を強く感じているのだといいます。施設で生活していた未成年の間は、何かをするたびに親の承諾が必要なこともあり「自分の意思とは違うところで、人生が左右されている」と思っていました。でも20歳になった今、自分も「大人」になり、自由だけでなく、それに伴う責任を取る覚悟を決めないといけないと感じているそう。たかこさんの表情からは少しばかりの緊張が表れていたように思います。
だからこそ、ACHA projectに参加して、年上の昌子さんの姿には影響を受けたのだといいます。
自分と同じ施設出身者の昌子さんが代表として引っ張っている姿を見て、「自分も強い信念のもとで行動を起こせるような大人になりたい」との思いを強めていると話してくれました。
たかこさん:将来は、警察官になることが夢です。幼少期、親に何を言っても否定されるという経験をして、すごく悲しくて。だから私は、自分の中の価値観だけで人の意見を判断せずに、その発言の背景にはどのような思いがあるのかを考えられる人になりたいんです。
たかこさんの、人の話を聞いて寄り添おうとする性格に、まなみさんも大きな信頼を寄せているそうです。
まなみさん:たかこっちは、人の話をよく聞いてくれるから、話していて心地いい。うちらは基本的に性格が似てるけど、ところどころ真逆で、でもそのバランスが良くて(笑)。
和気藹々と冗談も交えながら笑い合う二人の姿を見ていると、心からお互いを思いあっているんだなと温かな関係を感じます。
助けてほしいと思っている子どもたちを良い方向へ導くことができる大人になりたい
ACHA projectでは、着付けやヘアメイク、写真撮影などもボランティアスタッフによって行われています。
牛角さんは、IT企業に勤務する傍ら、2017年2月から活動に参加しているカメラマンです。控えめながらに優しい微笑みが印象的な牛角さんがボランティアを始めたきっかけは、上京した時に支えてくれた見ず知らずの大人の存在が関係しているのだそうです。
20歳で北海道から上京してから友達の作り方に悩み、孤独を感じていた牛角さん。励ましてくれたのは、当時流行っていたSNSで繋がった大人たちでした。チャット上で親身に相談にのってくれる姿を見て、「自分も大人になったら子どもたちのSOSに手を差し伸べられるようになりたい」と強く思ったそうです。
牛角さん:女の子たちはみんな個性豊かです。施設出身者ということ以外のバックグラウンドは知らないけれど、全員をパッと思い出せる程に毎回記憶に残っています。
ヘアメイクの藤生さんは、普段から自宅近くにある児童養護施設でボランティアとしてヘアカットをしています。ACHA projectに参加したきっかけは、幼い頃からカットしていた子どもたちの成人式で振袖の着付けを担当したことでした。
藤生さん:長い間見守ってきた子どもたちの、振袖を身にまとう綺麗な姿を見るのがとても嬉しくて。参加してくれた子たちには、今日という日を綺麗な姿で過ごしてほしいと思います。
今回の撮影では、藤生さんは女の子のために手作りのお花の髪飾りを持参していました。色鮮やかな髪飾りには、「女の子の特別な日を丁寧に演出したい」という思いが詰まっています。
ACHA projectは、多くの方の「思い出に残る時間を過ごしてほしい」という気持ちで成り立っているプロジェクトなのです。
撮影会は、見る人すべてを魅了するような祝福ムードに
着付けやヘアメイクが完成し、数時間前よりもぐっと大人っぽくなった2人は、とても嬉しそうに鏡に映る自分の振袖姿を眺めていました。
みなさーん!撮影を始めましょうー!
昌子さんの元気な掛け声を合図に、私たち一同は児童館近くの公園に移動します。
空には雲ひとつない快晴、まさに撮影日和です。撮影中、たかこさん、まなみさんは恥ずかしそうにしながらも、それぞれが好きなポーズで撮っていました。
昌子さん:体のラインがすらっとしているから白が似合うねー!
まなみさん:まじ?褒め方分かってるねーー!(笑)
昌子さんと二人がふざけ合う姿は、仲のいい友達のようです。
昌子さんは撮影の合間に「疲れてない?大丈夫?」と常に二人を気にかけ、リラックスできる雰囲気を作り出していました。
道ゆく人も「綺麗ね」と声をかけたり、微笑ましそうな表情で撮影を見守っています。こうして、公園内では、ACHA projectのスタッフや私たちだけでなく、通りかかった人や心地よい風、揺れる木々さえも、二人の門出を祝福するような雰囲気に包まれていました。
徐々に緊張もほぐれてきた2人の表情からは、人に門出を祝わってもらう喜びを感じました。今回の撮影が彼女たちにとって、大人になることへの前向きな一歩を踏み出す機会になっているのではないかと思います。
伝えたいのは「あなたは大事にされるべき人間なんだよ」ということ
ACHA projectの活動を通して、昌子さん自身、得るものがとても大きいそうです。
昌子さん:撮影が終わるたびに達成感があるし、女の子一人ひとりの思いやエピソードも違うから、私自身が勇気をもらいます。
また、子どもたちの人生が今後生きやすくなるためのパイプでありたいと思っているのだとも教えてくれました。
昌子さん:可能な限り女の子たちと近い距離でいたいし、撮影が終わった後も頼ってくれたら嬉しいですよね。繋がった子にはいろんな支援をつなげていきたいし、自分自身が得た福祉に関する情報も渡したいです。
活動の根底には、自分が多くの人に助けられてきた分、今度は自分自身が年下の子たちに頼られる存在になりたいという思いがあります。
昌子さん:私は「つらい」とか「助けて」とか、周囲にSOSを出す能力が高いと言われることが多いんです。それができるようになったのも、施設の職員さんが日頃から「みんなで支えながら生きていけばいい」と言ってくれていたからだと思います。
私が18歳で不安定な時期に関わっていた人達に会うと、今でも「生きているだけでいいんだから、無理しないでね」と言ってくれるんです。「こういう活動を通して昌子が笑顔でいてくれるだけで、嬉しいから」って。本当に多くの人の支えがあってこの活動に繋がっているなと思います。
児童養護施設で一緒に暮らして兄弟姉妹のように築いてきたつながりは、現在もたまに会っては近況報告をしたりという形で続いています。
自分が受けてきた優しさのバトンを次に繋げるため、ACHA projectは今後もボランティアスタッフと寄付金で活動していけるよう、福祉に関するイベントでの登壇なども積極的に行っていく予定です。
そこにはたしかに、自分への愛があったと感じられる社会へ
色鮮やかな振袖に包まれる二人が、みなさんに祝福される機会に立ち合わせてもらった撮影会。終わる頃には、私はすっかりたかこさん、まなみさんの将来を応援するファンになっていました。振袖撮影は、女の子だけでなく周囲の大人まで、未来を前向きに思えるような力があるのだと思います。
昌子さんをはじめ、ACHA projectのスタッフは口に出して「あなたは大事にされるべき存在だよ」と伝えているわけではありません。
しかし、些細な言葉や空気感から彼女たちの幸せを願っていることが伝わってきました。
二人がその思いに気づいているのか、今後気づくかどうかは分かりません。でも、もし将来に悩むことがあったときは、この写真を見返して「大人への一歩を踏み出すときに祝ってくれる人がいた」ということを思い出してほしいなと感じます。
このプロジェクトのように、子どもの抱く生きづらさや困りごとは、きっと社会全体の大人たちが愛情を持って支えていく必要があるはず。
私もひとりの大人として、まずは身近にいる子どもたちが笑顔で暮らせるように行動していきたいです。
(写真/馬場加奈子)