こんにちは!soar編集長の工藤です。
突然ですが、私は「宇宙兄弟」という漫画が大好きです!きっとsoar読者にみなさんでも、ファンは多いのではないでしょうか。
2007年より「モーニング」で連載されている「宇宙兄弟」は、幼い頃から宇宙飛行士になって、2人揃って月に立つことを夢見ていた兄弟の物語です。
一度は諦めた夢に30歳を超えてから再挑戦する兄・ムッタ、そんな兄を支える一足先に宇宙飛行士になった弟・ヒビト。”宇宙開発”という非日常感あふれる舞台で、この兄弟と個性豊かな宇宙飛行士たちのストーリーが展開される人間ドラマは、アニメ化、映画化され、爆発的な人気を見せています。
私はこの漫画を何度も読み返しては、夢に向かって突き進む登場人物たちに共感し、励ましと勇気をもらっています。
実は「宇宙兄弟」では、難病・ALSが大きなテーマの一つとして描かれているんです。特に宇宙飛行士の一人として登場する「伊東せりか」が治療薬の開発に奮闘するエピソードは、ファンの間でも人気があるシーンのひとつ。
今回ご紹介したいのは、このエピソードにちなんで5/22(月)にリリースされたALS啓発活動・治療薬開発のためチャリティプロジェクト「せりか基金」です!
父を奪ったALSをこの世からなくしたい。せりかの強い思い
主人公のムッタがほのかに恋心を抱くせりかは、医療の道から宇宙飛行士になることを志しました。その大きなきっかけとなったのは、14歳のときに父をALSで亡くしたこと。
「父の死、そして父を奪ったALSという病気をこの世からなくしてしまいたい」
そんな強い思いから、せりかは宇宙環境を利用して様々な研究や実験を行う「ISS(国際宇宙ステーション)」で、ALSの治療法を研究することを幼い頃から目標にしていたのです。
無事ISSミッションに加わることができたせりかでしたが、彼女を陥れようとした者によってあらぬ噂話を流されたことから、世間の大バッシングに合います。
でも、どれだけ批判をされたとしても、せりかの意志は全く折れることはありません。くじけずに研究に励んだ結果、せりかはALSの治療薬開発の実験に成功したのです!これは多くの読者に勇気を与える名シーンとして知られており、私も何度も涙しながら読んでいる大好きなエピソードのひとつです。
宇宙兄弟の重要なテーマのひとつ、難病・ALS
治療法開発のためにせりかが立ち向かった「ALS」は、筋萎縮性側索硬化症と呼ばれる難病です。体を動かす運動ニューロン(運動神経細胞)が侵される病気で、手足を動かすことが難しくなり、次第に食事や会話、コミュニケーションも困難になります。
発症してからの平均余命は3~5年と言われ、世界で35万人、日本には約1万人の患者がいます。極めて進行が速い病気で、いまだに治癒のための有効な治療法は確立されていません。
soarでも以前、ALS患者であるサッカークラブ「FC岐阜」前社長の恩田聖敬さんのインタビューをさせていただきました。恩田さんは病気が進行していて、すでに声を出すことも顔の表情をつくることも難しい状況でした。でもipadをつかったり周囲のサポートを受けながら、一生懸命に質問に答えてくださったこの取材は、私にとっても忘れられない印象的な時間となりました。
たとえ病気になったとしても、やりたいことをやる人生は楽しい。難病ALSに負けないFC岐阜元社長・恩田聖敬さんの行動力に学ぶ
最初はせりかのお父さんが侵された病としてALSが登場しますが、物語が進むと、主人公のムッタとヒビトを小さい時から支えてきた天文学者のシャロンもALSを発症します。ALSは、宇宙兄弟を語る上では外せない重要なキーワード。「宇宙兄弟」をきっかけにこの病名を知った方も、大勢いるのではないかと思います。
作者の小山宙哉さんはメディアでALS患者の方と対談をするなど、積極的に病気のことを知る努力をされており、作品中ではALSという病気がとてもリアルに描かれています。
治療開発への奨励金となるチャリティグッズが販売!
せりか基金は、小山宙哉さんのマネジメントを行う株式会社コルクが、難病ALSへの啓発活動・治療薬開発のための資金を集めることを目的として行うプロジェクトです。
難病ALSの研究開発費のための基金 #せりか基金 が始まりました。
このチームで、ようやくスタート地点まで漕ぎ付けることができました。 #ALS #筋萎縮性側索硬化症#せりか基金 -宇宙兄弟ALSプロジェクト- https://t.co/wXS0o03KCE pic.twitter.com/BBz1Uxt1zQ— コルク(cork agency) (@corkagency) 2017年5月22日
ALSグローバルデーである6/21(水)に向けて、せりか基金公式サイト上でチャリティグッズを販売。諸経費を差し引いた売り上げは、ALS基金を通じてALS治療開発に取組む研究者への奨励金として寄付されます。
グッズは「SERIKA FUND」のロゴマークがあしらわれたTシャツ、シリコンバンド、ステッカーなどが用意されています!
このチャリティグッズは、プロジェクトに賛同する様々な団体・個人の方々が、商品デザイン・製作費負担などのサポートによって実現したもの。漫画の一登場人物ではあるものの、多くのひとがせりかの思いに賛同し、ALSをなくしたいという夢の実現に尽力しているのです。
多くの賛同をインターネットを使って大きな渦に
せりか基金では、期間中に公式サイト上にて、ALS患者である酒井ひとみさんのコラムのほか、プロジェクトの進捗や賛同者の声、ALSに対する理解を深めるための記事を配信していきます。
また、6月21日(水曜日)のALSグローバルデー当日にも、イベントの開催が決定しています!
こちらのキャンペーンの注目すべき点は、プロジェクトの一環としてSNSを用いたソーシャルキャンペーンが行われていること。Twitterでは「#せりか基金」のハッシュタグがつくられ、すでに多くのプロジェクト賛同者の声や宇宙兄弟ファンの応援メッセージが集まっています。
漫画『宇宙兄弟』の中には、難病ALSと闘病する天文学者が登場します。そしてALSの治療薬を開発する宇宙飛行士、せりかさん。
彼女の名前で、ALS治療のための研究開発費をあつめる #せりか基金 がスタートしたそうです。素晴らしい!????https://t.co/QgAmdbzTFq pic.twitter.com/ZHUSuegUM6
— 塩谷 舞(milieu 編集長) (@ciotan) 2017年5月22日
#せりか基金 本日オープンしました!
アイスバケツチャレンジで少し名前が広がったALS、治癒法がみつかっていない病気です。患者さんに、研究者に光が射すように、宇宙兄弟の力でできる限りのことができればと思っています。 https://t.co/e9MND3bQkA pic.twitter.com/my7hEH89Wp— SERI258 / 鈴木せり (@seri258) 2017年5月22日
ALSは2014年にSNSを活用したキャンペーン「アイスバケツチャレンジ」が行われ、認知が拡大しました。しかし、いまだに治療法の開発には至っておらず、たくさんの患者がその日を待ちわびています。
私も実は、最近SNS上で交流していたALS患者さんである友人を亡くしました。いつか直接会える日を夢見て応援していたので、一報を聞いてとてもショックを受けました。
漫画のなかでせりかが実験に成功したように、1日も早くALSの治療法が見つかってほしい。
これは私の心からの願いです。なので、漫画というチャンネルを通して、ソーシャルキャンペーンを行い、多くのひとを巻き込むこのプロジェクトに期待しています。
ぜひみなさんも、せりか基金にご協力を!そして宇宙兄弟を読んで、少しでもALSについて理解してもらえると嬉しいです。
関連情報:
宇宙兄弟 公式ホームページ