椅子に座りテレビを眺めているおじいちゃん、駆け回る子どもたち、赤ちゃんを連れて雑談しているお母さん、パソコンを開いて仕事をしている人、静かに新聞紙でゴミ箱を作るおばあちゃん。

毎日のように地域の人が集まり、それぞれが思い思いに過ごしたり、交わったりしている場所があります。

兵庫県神戸市にある「はっぴーの家ろっけん(以下、はっぴーの家)」です。

以前soarの記事でも紹介した、多世代型介護付きシェアハウスはっぴーの家。近所に住む人や子どもたちがふらっと立ち寄ったり、どこからか噂を聞きつけた人が遊びに来たりと週に200人以上が訪れる場所です。

「この場所の言葉にしづらい魅力を掬って表現したい」

そう思った私とマンガ家のあさののいさんが、一緒にはっぴーの家を訪れ、そこで垣間見たものをお届けする連載。

今回は第3話。ちょっとした揉め事が起こったときの、はっぴーの家流の打開策をお送りします。

揉め事は、”愛のある笑い話”に。はっぴーの家流の問題打開策とは?【多世代型シェアハウス「はっぴーの家」③】

【マンガ】1コマ目、はっぴーの家のリビングで悪態をついているわい子ちゃん。2コマ目、わい子ちゃんのベットの下には木の棒が置いてある。3コマ目、「これで変態のおっさんをぶん殴る」とのこと。4コマ目、わい子ちゃんいわく、部屋でこっそりウンチをしていくおっさんがいるという。5コマ目、その成敗のための木の棒だという。6コマ目、そんなわい子ちゃんには犬猿の中のお相手がいる。7コマ目、「いつもいつもやかましいんじゃ」「こっちのセリフじゃ」と口論をする二人。8コマ目、その二人のそばで子どもの面倒を見ているTさん。9コマ目、Tさんはなぜか二人の喧嘩に巻き込まれてしまう。「あんたはなんなんや、なにへらへらしとんねん」
【マンガ】1コマ目、一瞬にして凍りつくリビング。2コマ目、打開策としてTさんに「Tさん今日はあたりの日やな、めっちゃついてるやーん」といじるしゅとうさん。3コマ目、その言葉にほっとした表情を見せるTさん。笑い話にすることで喧嘩を起こしたおばあさんも自然にその場にいることを受け止められる。無理に誰かを変えようとするのではなく、受け止めることで最適策を模索する。4コマ目、ちなみに筆者と夫も取材中にわい子さんに声をかけられる。5コマ目、夫がマスクを外すと。6コマ目、「うわっ思ってたんと違うっ」とわい子。7コマ目、延々と罵倒される夫。8コマ目、「今日はあたりの日やな、めっちゃついとるやーん」といじる筆者。はっぴーの家的な打開策で受け止めたのであった。

はっぴーの家ろっけんマンガ連載:

第1話 現代版の「大家族」!介護付きシェアハウス「はっぴーの家ろっけん」の日々を覗いてきた
第2話 “やっかいなおじいさん”が、愛されキャラになった理由とは?
第4話 仲良しの“他人”が集まり、ジージを「明るい葬式」で送り出したお話

関連情報:

はっぴーの家ろっけん
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マンガ制作:あさののい

【イラスト】あさののいさん本人のイラスト

1985年生まれ。千葉県出身、岡山県在住。イラストレーター。武蔵野美術大学卒業後、「ちいさなおじさん」を主題にイラスト、マンガ、アニメーションなどを制作。2014年に岡山県に移住し、岡山県での生活を描いたマンガ『こんにちは、なぎさん』、「老いと演劇」OiBokkeShiの演劇作品フライヤーのイラスト等を描く。

(企画・進行/木村和博)