【画像】アニュアルレポート。NPO法人soar活動報告書。2022年11月1日から2023年10月31日

いつもNPO法人soarの活動を応援していただき、ありがとうございます。みなさんのご協力のおかげで、soarは活動9年目を迎えました。

このたび、2022年度(2022年11月1日〜2023年10月31日)の活動や決算についてご報告する、アニュアルレポートが完成しましたのでご報告します。

1.NPO法人soarが目指すもの

NPO法人soar(以下、soarという)は、2015年12月22日にウェブメディア「soar」(以下、メディアという)をリリースし、2017年1月23日にNPO法人化をしました。メディアの運営を軸としながら、学びの場づくり、企業や学校とのプロジェクトなどを通し、誰もが自分の可能性を活かして生きる社会づくりを目指して活動しています。

【画像】soarを真ん中に、読者や取材先、関係者などさまざまなステークホルダーがいる

Our vision:誰もが自分の可能性を活かして生きる未来をつくる

人の“可能性”に光を当てる私たちが目指すのは、障害や病気、性的・民族的少数性、経済的・機会的な格差などによって、人が自分の持っている可能性にふたをされることがない社会。生まれ育った環境や自身にある困難によらず、誰もが自分の可能性を活かして生きる未来をつくります。

Our Mission:人の“可能性”に光を当てる

私たちは様々な困難の中にあっても輝きを失わない“希望”に光をあて、人がより善く生きていくための様々な知識や智慧を伝える活動を通じて、人がその人らしく生きていくことを肯定し、また、肯定する力そのものを見出す指針やきっかけなどの“可能性”を示したいと考えています。 そして、これまで分断されてきた人同士をつなぐことで、新しい価値を生み出し、より多様性のある社会を実現します。

代表理事・工藤瑞穂からのメッセージ

【画像】soarのロゴと、背景には青空が描かれている

今年度もsoarは、様々な状況で生きる人たちのライフストーリー、様々な分野の活動をインタビューし、ウェブメディアを通して発信してきました。

SNSや記事の感想フォーム、イベントでお話させていただいたとき、多くの方に「記事に出会えたおかげで、ずっと悩んでいたことに希望が見えた」と声を寄せていただきます。

ひとつの記事が何年も時間をかけて、必要な瞬間に必要な人のもとへ届く。

活動も9年目に入り、約470記事が掲載されていることによって、そういった記事との出会いが生まれ続けていることをとても嬉しく思います。

加えて、今年度は新しいチャレンジとして、生きる知恵の循環を目指して様々なテーマで連続講座を開催しました。

これまでのメディア運営で生まれた知恵を場に集まるみなさんと共有し、さらにそこでの気づきをメディアにも反映させる。

メディアと学びの場を連動させることにより、このように生きる知恵の循環を生み出すことができました。

来年度はさらに、一人ひとりが人生で経験してきたことをきっかけに、自身の表現や発信ができるような参加プロジェクトも考えています。

読者のみなさん、ご寄付で運営を支えてくださるサポーターのみなさん、イベントの参加者のみなさん、取材にご協力いただいたみなさん、スタッフをはじめとした関係者のみなさん。

いつも様々なかたちでsoarに参加してくださり、本当にありがとうございます。

また、soarでは2021年に策定して運用しはじめたCoCや各種ポリシーに沿って活動することにより、関わる人々の人権が守られ、個々の意志が尊重される組織づくりに努めてまいりました。

今後も定期的な振り返りを行いながら、絶えず組織のアップデートを続けていきたいと考えています。

みなさまに信頼していただける団体運営を行いながら、当団体のビジョンの実現に向かって活動してまいりますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

NPO法人soar代表理事・ウェブメディア「soar」編集長 工藤瑞穂

2.メディアについて

2022年度(2022年11月1日〜2023年10月31日)は22本の記事を公開し、のべ約150万人の方に記事を読んでいただきました。

引き続き新型コロナウイルスの感染拡大により、記事制作には制限があった時期ではありましたが、2020年度・2021年度と比較すると、対面取材の機会が増加。オンラインでのインタビューだけでなく、オフラインで人が集う場の取材も実施することができました。

(1)記事のテーマについて

【画像】記事のテーマについて。病気難病が12記事、身体障害5記事、社会的養育・家族4記事、子ども・若者3記事、社会的孤立・貧困2記事、女性2記事、当事者の家族・友人2記事、高齢者1記事、精神障害1記事、発達障害1記事

2022年度は、「病気・難病」に関する記事を最も多く作成しました。病気や難病の症状そのものについてだけではなく、取材対象者の方の思いや生き方が伝わるような内容を心がけて記事制作に取り組みました。来年度も幅広いテーマを取り上げられるよう、取材を行っていきます。

(2)読者数の推移

2022年度は約150万人の方に記事を読んでいただきました。割合としてはGoogleやYahoo!などの検索エンジンからのアクセスが約85%、X(旧Twitter)やFacebook、InstagramなどのSNSからのアクセスが約6%となっています。

【画像】読者数の推移を年度ごとに表したグラフ

(3)読者アンケートの結果

2022年度を終えて、読者の方々に回答いただいたアンケートの結果を一部共有します。

①読者の年代

【画像】読者の年代を表した円グラフ。17歳以下3.8%、18-24歳7.7%、25-34歳11.5%、35-44歳42.3%、45-54歳26.9%、55-64歳7.7%、65歳以上0%

読者の年齢層としては、35歳から44歳までが42.3%と最も多く、次いで45歳から54歳までが26.9%となっています。

②読者の立場

【画像】読者の立場を表したグラフ。自分自身に何らかの疾患や障害がある57.7%、テーマに対する興味・関心がある50%、家族や友人など、周りに困難や疾患、障害がある人がいる34.6%、これまで何らかの困難や疾患、障害などを経験したことがある26.9%、当事者を支援している26.9%、その他7.6%

読者の立場としては、「自分自身に何らかの疾患や障害がある」という回答が57.7%と最も多く、次いで「テーマに対する興味・関心がある」、そして「家族や友人など、周りに困難や疾患、障害がある人がいる」という回答が集まりました。

③soarの記事を読んで得られた変化

【画像】記事を読んで得られた変化を表したグラフ。新しい価値観を知ることができた73.1%、気持ちが楽になった53.8%、応援したい団体ができた34.6%、自分なりに活動を始めることにつながった23.1%、紹介した取材先に行ってみた11.5%、サポートを受ける先を見つけることができた3.8%

読者の方が記事を読んで具体的に変わったこととしては、「新しい価値観を知ることができた」が最も多く73.1%。次いで「気持ちが楽になった」といった回答が53.8%でした。

「自分なりに活動を始めることにつながった」「紹介した取材先に行ってみた」「サポートを受ける先を見つけることができた」といった回答もあり、記事を読んだ方の具体的なアクションにつながっているようです。

(4)メディアの検索メニューについて

サイトには「困難のかたち」「サポート種類」「悩みや願い」の3つの検索メニューから記事を探せる機能があり、多くの方が利用しています。

特に「困難のかたち」の「知的障害・ダウン症」や、「悩みや願い」の「見た目との付き合い方」で検索された方が多くいました。具体的な困難の名称と同時に、名前がついていない悩みや願いなど、様々なテーマで読者の方が検索しています。

【画像】検索メニューの上位クリックランキング。困難のかたちでは、1位知的障害・ダウン症、2位病気・難病、3位身体障害 。サポート種類では、1位居場所・コミュニティ、2位心のケア、3位プロダクト。悩みや願いでは、1位見た目との付き合い方、2位心の回復を考える、3位生きづらさと向き合う

(5)多くの方に読んでいただいた記事の紹介

2022年度に公開した記事への読者からの反響を、いくつかご紹介します。

【写真】椅子に座り笑顔でカメラを見つめるこむぎさん

「体に傷が増えていく日々でも、ファッションも人生も楽しみたい」皮膚にただれや水ぶくれができやすい表皮水疱症当事者のこむぎさん

YouTubeで表皮水疱症という病気との日常を発信しているこむぎさんのコラム記事。公開当初は「記事を読んでこの病気を初めて知った」といった感想が多く挙がっていました。また動画クリエイターの方が表皮水疱症の子どもを育てていることを発信した際、表皮水疱症に関する情報がインターネット上に少ないことから、検索エンジンを通してこちらの記事に多くのアクセスがありました。

【写真】街路樹の前で笑顔を見せるのぶともなおこさん

「母の老いも最期も、全部味わい尽くした」90代の父とともに、認知症の母を介護した経験を映画にした信友直子さん

認知症の母と、耳が遠い父の暮らしをドキュメンタリー映画に撮った、信友直子さんへのインタビュー。多くの読者が自身の家族に置き換えて考えたようで、中には「涙を流しながら読んだ」といった声も寄せられました。

【写真】笑顔でこちらを見つめるにしむらよしあきさん

「きく」は、その人と一緒にする“小さな冒険”。西村佳哲さん

プランニングディレクター、ファシリテーター等さまざまな顔を持ち、11年に渡って「インタビューのワークショップ」を開催している西村佳哲さんに、「きく」をテーマにインタビューをした記事。ライターやリサーチャーなど人の話を聞くことを仕事にしている人はもちろん、様々な立場の人が日常での人の話の「きき方」に関心を持っていました。

(6)検索エンジンを通してのアクセスについて

2022年度も検索エンジンを通じて、多くの方にメディアを読んでいただきました。検索エンジンからのアクセスが多かった3つの記事と、どんなキーワードで検索をしてその記事を読んでいるのかをご紹介します。

【画像】話ながら泣いている女性のイラスト。検索キーワードは、自分の気持ちを伝えるのが苦手 泣く、自分の意見 涙が出る 病気、言いたいことが言えない 泣く 病気、人前で話すと涙が出る 病気、自分のことを話すと泣く

大切な気持ちを話すと、涙が出てしまう。私がそんな性質と付き合えるようになるまで/あかしゆか

ライターのあかしゆかさん自身の「心の奥底にある気持ちを話そうとすると涙が出てきてしまう」という、体質に関する悩みについて、内科医の鈴木裕介先生にお話を伺ったコラム記事。多くの方が「話をすると涙が出てしまう」ことに関する悩みや状況を直接検索エンジンに入力し、記事にたどり着いているようです。

【画像】笑顔でこちらを見つめるしんちゃんの写真。検索キーワードは、クローン病 人生終わった、クローン病 完治した人、クローン病 突然死、クローン病 初期症状 ブログ、クローン病 発覚まで

「自分の人生、どうにでもなれ」17歳でクローン病になって絶望した私が、生きる希望を見つけるまで

17歳でクローン病と診断を受け、現在は患者支援団体「みえIBD」の会長でもある“しんちゃん”さんのコラム記事。クローン病についての情報や、患者の生き方や考え方についての情報を探す方がアクセスをしていることが伺えます。

【画像】ベンチに腰を掛けて笑顔を見せるさきせりさんとさきゅうかずとみさん。検索キーワードは、死にたい、死にたくなる 甘え、境界性パーソナリティ障害 疲れた、境界性人格障害 治るきっかけ、彼女 死にたい

大切な人が精神疾患になった時、どうしたらいい?「死にたい」気持ちも受け入れ、境界性パーソナリティ障害と向き合う2人の歩み

境界性パーソナリティ障害の当事者である咲セリさんと、20年以上共に歩んできたパートナーの咲生和臣さんお二人にインタビューをした記事。病気についてのキーワードだけでなく、「死にたい」という気持ちをそのまま検索エンジンに入力し、記事にアクセスしていました。

(7)読者のみなさんからの声を紹介

SNSやメール、感想を投稿するフォーム等を通して、読者のみなさんから次のような感想が届いています。

【画像】読者からの感想。私も症状で悩んでいるが、他にも同じ方がいると知れて楽になった。仕事で当事者の方と関わることが多く、ぜひ多くの方に知っていただきたい。授業で病気を調べる機会があり、もっと認知が広まればいいなと思った。家族が同じ病気でサポートの仕方を考えているが、記事を読んで勇気がわいた。

このように、様々な立場の方がそれぞれのタイミングで記事と出会い、感想を寄せてくださっています。これからもその方が必要なときに記事を活用してもらえるよう、発信していきたいと思います。

(8)SNSの登録者推移

soarでは、Twitter、Facebook、Instagram、noteなどのSNSを運用をしており、それぞれのプラットフォームで様々な読者と出会い、つながり、情報を届けています。2022年度、Twitterは19,167人、Facebookは10,669人、Instagramは6,358人、noteは1,741人の方がフォローしています。

【画像】SNS登録者推移を表す折れ線グラフ。昨年と比較しほぼ横ばいとなっている。

3.イベントの開催

団体の活動を伝えるための活動説明会、読者のみなさんと様々なテーマで学び考える機会としてトークイベントや連続講座を開催しました。

【写真】soarのイベントで使われたボード。青空の背景に、soarの白いロゴとWelcome to soar eventと書かれている。

(1)活動説明会

法人化以降、読者のみなさんと直接お話する場として、活動説明会の開催を継続しています。メディア運営を含めた活動内容、スタッフが取材やイベントを通して感じていることなどをお伝えしています。

2022年度は、「ウェブメディアの運営」「活動を始めたきっかけや現在までの取り組み」などをテーマに合計3回実施。12名の方に参加していただきました。

実施年数を重ねていくことで、初めてsoarに触れる方はもちろん、メディアオープン時より記事を読んでくれていた方、過去にイベントにご参加の方が、現在の活動状況に関心を持ってくれたことなどが印象に残っています。

(2)トークイベント、連続講座の開催

メディアで取材させていただいた方々を中心にゲストをお招きし、様々なテーマで、読者のみなさんと学びあい、考えを共有しあうためにイベントを実施してきました。

①トークイベント

話し手の人生を「本」に見立てて、これまでの経験や想いについて、参加者とじっくりと話し合う「Human Library」を開催。ご自身や家族が病気や障害の当事者であり、支援団体を立ち上げた方、動画配信で車椅子ユーザーの生活を発信する方、当事者としてご自身の経験や思いを講演で伝える活動をする方々をゲストに迎えました。当日はオンラインで日本全国から52名の方が参加し、ゲストのみなさんのお話をじっくり伺いました。

【画像】soar Human libraryのサムネ画像。登壇した7人のゲストも写っている

②連続講座

今年度からの新しい取り組みとして、活動全体を通して「生きる知恵の共有」を目指す中で、一人ひとりの学びや語りを共有し、考えを深めていく機会を「soar campus」と位置づけ、2つの連続講座を行いました。

自分と“よく”つながる術に出会う

【画像】soar campusのサムネ画像。登壇した4人のゲストの写真も写っている。

自分自身の願いや意思を見つめ、望むあり方を知るための技法「BASIC Ph.」、「プロセスワーク」、「NVC」、「beの肩書き」をレクチャーやワークショップを通して学びました。

人の可能性が広がる居場所のつくりかた

他者やコミュニティと関わる中で、何を大切にしてその場に向き合っていけば、人が互いを尊重しあい、可能性を広げ合うような居場所をつくれるのか。様々なかたちで場の運営に取り組む4人のゲストに実践についてお聞きしながら、対話を重ねました。

様々な人の考えや実践に触れることで、一人ひとりが自分自身の新たな可能性に気づく。そして自分と社会との接点を見つけ、行動につなげる。そのために、知恵を共有する大切なプロセスの一つだと実感しています。

これからもsoar campusでは、そうした一人ひとりの願いを起点に、生きる知恵を共有しあったり、互いに自分らしくありたい姿に向かって行動していけるような学びの場を目指していきたいと考えています。

(3)学びの場の運営や仕組みづくり

講座やイベント運営にあたっては、参加者が安心して学べるような取り組みも行っています。

①グラウンドルールの策定

自身の体験や他者の語りを安心して聴く・話す場の運営のため、「学びの場のグランドルール」を策定。講座開催時には毎回必ず冒頭で参加者のみなさんやゲストに共有し、誰もが安心して対話や学びに集中できる環境を整えています。

【画像】学びの場のグランドルールの内容。1他者の尊重、2差別の禁止、3個人情報の保護と書かれている。

②アクセシビリティの実践

視覚障害や聴覚障害、コミュニケーションにまつわることなどでサポートが必要な方に向けて、字幕機能のご利用やスライド資料の読み上げ、資料の事前共有。お話することが難しい場合はチャットでのコミュニケーション等、状況に応じてできる限りのサポートや対応を行っています。

今後もご参加いただくみなさんの状況や特性を伺いながら、安心して他者とともに学ぶことができる場をつくるための改善を続けていきたいと思います。

4.2022年度・その他の活動

(1)企業や学校との協働事業の実施

「問いの探究」と「変容の触媒」を理念に掲げるメディアカンパニーである株式会社インクワイアと共同で、「inquire University」の1講座として企画・運営を実施しました。

【画像】inquire University私から始まるリーダーシップのサムネ画像

この講座では「私からはじまる“リーダーシップ”」を主軸とし、自然体な経営、自分が変容するプロセス、地球思考、人権、コールが響き合うチームといったテーマで、実践者のお話を伺いました。その上で、参加者のみなさんが自分のリーダーシップについて考え、対話を深める時間となりました。

今後も継続して人の可能性が活かされる社会のあり方や困りごとへのサポート事例などを伝え、様々な場で学びが深まる取り組みを連携して進めていきたいと思います。

5.2022年度もサポーターのみなさまにご支援いただきました

soarは「soarサポーター」のみなさんからのご寄付で、メディア運営を行っています。2023年10月末日時点では、456名の方にサポートいただきました。

メディアに掲載する記事ができるまでには、長く丁寧なプロセスがあります。このプロセスは、様々な経験や状況にあった取材先の方々のお話を伺い、記事として届けていくためには欠かせません。

このプロセスをご寄付で応援してくださっているサポーターのみなさん、本当にありがとうございます。

【画像】soarサポーター募集のサムネ画像。

引き続き、「全てのひとが自分の可能性を活かして生きる未来」をつくるため、soarサポーターを募集しています。ぜひ、月1000円からのご寄付でsoarを応援いただけたら嬉しいです。

そして、法人サポーターを募集しています。ご興味をお持ちの法人様は、こちらよりぜひお問い合わせください。

6.会計についてご報告

(1)2022年度・収益の内訳について

【画像】経常収益3期を比較した棒グラフ

活動休止期間の影響により、2020年度に9,705,683円だった全体収益は、2021年度は7,158,292円と大幅に減少しました。2022年度は自主事業である連続講座の立ち上げや企業との協働事業も行ったことで、全体収益は7,882,482円となり、前年度よりわずかながら増加しました。

【画像】収益の内訳を表した円グラフ。寄付67%、メディア運営事業21%、イベント12%

(2)2022年度・費用の内訳について

【画像】費用の内訳を表した円グラフ。人件費68%、事業費18%、その他経費14%

(3)2022年度の活動計算書について

2022年度の活動計算書の詳細はこちらのPDFに記載しております。

【画像】2022年度の活動計算書

継続ご寄付に加えて自主イベントの開催、経常外収益として企業との協働事業の立ち上げ・企画運営を行い、 2021年度の4,205,251円の赤字から、2022年度は2,074,163円まで立て直しを行ってまいりました。

財政的に厳しい状況は続いていますが、引き続きご寄付の呼びかけをはじめ、講座やイベントの継続的な開催や新たなプロジェクトの立ち上げ等、持続可能な活動に向けた事業計画と実践に注力してまいります。

7.組織のコンプライアンスについて

(1)組織運営における行動指針、各種ポリシーの策定

soarでは、CoCならびに各種ポリシーを策定し、これらを行動や発信の基礎とする団体運営を行っています。
合わせて、soarのスタッフまたは関係者によるCoCや各種ポリシーに反する行為があった場合や、その発生が予見された際の相談を受け付ける窓口を設け、運用しています。

コンプライアンスの詳細については、こちらのページをご覧ください。

(2)CoCやポリシー運用の振り返り

2022年度は年に2回、スタッフ間でCoCやポリシー運用の振り返りを実施した他、ライターやフォトグラファー、ボランティアメンバーといった関係者へ、ポリシー運用の改善点や活動の上での気づいたこと等アンケート調査を行いました。

【画像】ポリシーアンケートの回答内容。事前にポリシーを共有してもらったことで、不安は解消されたと思う。困ったことがあったら相談できる体制は安心している。取材を通して自分たちが大事にしていくべきことが言語化されていると感じた。読者やサポーターともっと話せる機会をつくりたい。

今後も立場を問わず、互いを尊重し対等に対話ができる関係性づくりに努めてまいります。そして自分と他者の人権を尊重し、常に自分たちの行動が環境や社会に与える影響とその責任を自覚し、よりよく生きるための実践を更新していきます。

また、引き続き各種ポリシー浸透の効果的な運用方法について、ご意見を募集しております。ぜひ忌憚のないご意見、ご感想をお寄せいただけますと幸いです。

(3)組織体制について

soarは、理事会、経営管理、編集部、事務局から成り立つ組織です。事業ごとに、ライター、フォトグラファー、ボランティア等さまざまな形で関わってくださる関係者とともに、活動を行っています。

8.今後の活動について

誰もが自分の可能性を見つめ、それを活かして生きていくために、2023年度はさらに人の持つ「生きる知恵」に光を当て、大切なリソースとして人々と分かち合うことに注力したいと考えています。

「生きる知恵」とは、人が生きる中で経験した困りごとや悩み、そのときにどう向き合ったのかという経験を語ったもの。そして、自分や他者、世界とつながり、それぞれの存在を大切に生きていくために、私たちが培ってきた生きる工夫。

これまで「生きる知恵」をメディアで集めてきましたが、2022年度はsoar campusにおいて連続講座というかたちで学びの場づくりに挑戦しました。

メディアでリサーチ、インタビュー、それを発信して様々な反応を得ることで、どういったテーマが必要かがわかり、学びの場をつくることができる。そして、その場の対話から生まれたものを、またリサーチしメディアで発信する、という循環をつくることができています。

【画像】soarの活動は、メディアとsoar campusが循環し、ビジョンの実現を目指している

今後はテーマに関心がある人を募り、インタビューなどを参加者が自らが行い、文章や展示などの表現や発信を通してより多くの人とそれを共有していくようなプロジェクトも行っていきたいと考えています。

soarはこれからも、自分と他者、世界の可能性を広げたいと願う人々が集まり、その生きる知恵を分かち合い、よりよい未来を築いていく場でありたいと思いますので、活動に関心がある方のご参加をお待ちしております。

9.スタッフからのメッセージ

soarはスタッフ、インターン、ボランティアなど、様々なかたちで運営に携わっています。メンバーはそれぞれに、soarの目指す未来への思いを持って活動しています。ここでは、一部のsoarメンバーたちの業務や活動への思いについてご紹介します。

(1)名前
(2)soarで担当している仕事
(3)これからsoarでチャレンジしたいこと

 

 

【写真】カメラを見つめるモリジュンヤ

(1)モリジュンヤ

(2)経営管理やメディアチームのサポート等を担当

(3)ビジョンの実現に向かい、一歩目を踏み出した1年を経て、今年は着実に活動を継続していけるように、社会に「生きる知恵」を循環させるための土台を作っていく一年にします。

 

 

【写真】街路樹を背景に笑顔のまつもとあやか

(1)松本綾香

(2)記事企画のディレクション、編集、執筆、メディア運営全般

(3)2023年度も引き続きコロナ禍ではありましたが、取材先の方々の希望を伺い、感染対策を行なった上で、対面での取材を行う機会を増やすことができました。編集部では新しいテーマの企画や、これまでと違う形態の記事を制作できないかなども検討しているので、今年度も着実に実践を重ねていきたいです。

 

 

【写真】梅の花を背景に笑顔のおのでらりょうこ

(1)小野寺涼子

(2)メディア運営

(3)この1年間、状況が様々変化する中でも「社会にとって必要な情報は何か」「どうしたら多くの方に届けられるか」と考えながら活動に取り組んできました。これからも自分にできることをコツコツ積み重ねて、皆さんと一緒にビジョンの実現を目指していきたいです。

 

 

【写真】お寺と桜を背景にカメラを見つめるもりみさ

(1)森美彩

(2)寄付会員窓口、ニュースレター配信

(3)2022年度からニュースレターの主担当者として、新着記事やイベントの内容などをどのように届けていくか試行錯誤した年でした。社会は速度を上げるように慌ただしく移り変わっていますが、その中で穏やかな空気が漂うニュースレターを配信していきたいです。

 

 

【写真】微笑みながらカメラをみつめるこうのなおこ

(1)河野奈保子

(2)経営管理、メンバーマネジメント、団体広報や採用等活動に関わる事務局業務やイベント運営全般を担当

(3)2022年度は学びの場の企画や運営など、これまでsoarが大切に伝えてきた「生きる知恵」を、また新たな形で読者のみなさんと分かち合う時間をたくさん作ることができました。引き続き自分たちを含むこれからの社会全体で大切にしたいこと、伝えていきたい学びを実践を通して積み重ねていきたいと思います。

9.最後に

これからも、自分と他者、世界の可能性を広げたいと願う人々が集まり、その知恵を共有しあい、「誰もが自分の可能性を活かして生きる未来」を目指した団体運営、メディアや学びの場づくりなど様々な事業を実施してまいります。

どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

制作メンバー:小野寺涼子、工藤瑞穂、河野奈保子、松本綾香
デザイン:谷口舞